出遅れ株は深追いするな=犬丸正寛の相場格言

2010年11月4日 11:28

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

相場の最終場面で買われる出遅れ銘柄は、天井つかみとなる懸念が強いので深追いせず短期勝負を心がけるのがよいという教えです。言葉にすれば簡単でも、なかなか実行できないのが相場の難しいところですが、投資相談で一番多いのも、実は、出遅れ銘柄に対するものです。失敗しないためにも、投資にあたって心しておきたい格言です。

相場の最終場面で買われる出遅れ銘柄は、天井つかみとなる懸念が強いので深追いせず短期勝負を心がけるのがよいという教えです。言葉にすれば簡単でも、なかなか実行できないのが相場の難しいところですが、投資相談で一番多いのも、実は、出遅れ銘柄に対するものです。失敗しないためにも、投資にあたって心しておきたい格言です。[写真拡大]

■出遅れ株は深追いするな

  相場の最終場面で買われる出遅れ銘柄は、天井つかみとなる懸念が強いので深追いせず短期勝負を心がけるのがよいという教えです。言葉にすれば簡単でも、なかなか実行できないのが相場の難しいところですが、投資相談で一番多いのも、実は、出遅れ銘柄に対するものです。失敗しないためにも、投資にあたって心しておきたい格言です。

  では、出遅れ銘柄とは、どのような銘柄でしょう。出遅れというからには、比較する対照があるはずです。株式市場で真っ先に買われる銘柄は、(1)将来に対する夢があり、(2)発行株数があまり多くない小型株で、(3)現実の業績もまずまず、という銘柄です。今なら環境、資源・省エネルギー、高齢化、人手不足、防衛などに関連した銘柄で、投資家の多くが先行きに期待を持つ銘柄です。当然、こうした人気のある銘柄はマーケットで先行して買われ、しかも、マーケット全体を引き上げることに大きく貢献します。

  しかし、人気株といえども、いつまでも上がり続けることは無理です。そうなってきますと、投資家の目は、動いていない銘柄、つまり出遅れ銘柄に移ることになります。時流に乗る材料はないけれど、財務内容が良く、利益水準も高い、という共通点のある銘柄です。指標でみれば、PER(株価収益率)が全体の平均より低く、PBR(株価純資産倍率)も1倍前後と低く、配当利回りが2%近くあるような銘柄です。つまり、割安銘柄です。しかし、ここで、大切なことは割安銘柄に対して過大な期待をかけないことです。『割安に買いなし』の格言もあるように、割安に置かれているにはそれなりの理由があるからです。夢がなく人気のない銘柄だから、先行して買われることがなく割安に放置されているのです。

  日経平均との関係でみますと、日経平均は人気銘柄と共に上昇し、人気銘柄の頭打ちと一緒に最初の天井をつけます。一番天井といいます。その後、調整して、日経平均は出直ってきますが、この出直りで買われるのが出遅れ銘柄です。残念ながら、こうした出遅れ銘柄は人気性に乏しいため上値には限界があり、日経平均は一番天井を抜くことができず、二番天井をつけて大きな下げに向かいます。

  このように、出遅れ銘柄は相場の最終局面で買われることが多く、『底値100日、天井3日』の短命相場となってしまいます。とくに、投資家の皆さんが出遅れ銘柄で失敗するのは、指標面で割安のため、もっと上に行くだろうと過大な期待をかけてしまい、売り時を逃してしまうことです。相場の世界では、「大器晩成」はなく、良い銘柄から買われるのです。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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