東レ 中国2拠点を増設

2010年10月4日 09:06

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記事提供元:日本繊維新聞

 東レはこのほど中国に展開する東麗高新聚化<南通>(TPN)及び東麗即発<青島>染色股●有限公司(TJQ)で増設を行うことを決めた。いずれの拠点もフル操業を続けており、TPNでは年明けから第3系列の増設工事に着手し12年7月から新系列を立ち上げる。TJQでは生産能力を60%増強し12年中にスタートさせる。

 TPNは紙オムツ向けに展開するポリプロピレン(PP)スパンボンドの量産を08年2月からスタートさせている。

 生産能力は年産1万8000㌧。内需向けの販売好調を背景にすでに年産2万㌧の第2系列を導入する増設を進めており、来年3月から操業を開始する。

 東レによると、グローバルな紙オムツの需要は10年の295億枚から15年には525億枚に拡大するという。日本では普及率がすでに100%に達している一方、中国では35%、アセアンでは24%にとどまっている。

 このため、東レは第2系列導入後も見込まれる中国を中心とするアジアでの需要増大に応えていくため、増設中にもかかわらずTPNへの第3系列(年産2万㌧)導入を決めた。設備投資額は明らかにしていない。

 一方、東レは元々、倍増設を前提に、ポリエステル綿混織物の生産工場にしては「いかにも小さい」(杉本征宏副社長)生産規模でTJQの操業を続けてきた。

 昨年7月に黒字浮上して以降、安定的に利益を計上しており今後、中国内需に本格的にアプローチしていくための増設をこのほど決定。現行の月産280万㍍を12年中に同450万㍍体制に引き上げる。


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