約9割が「不満」、介護福祉士の手当と待遇に関する調査結果を発表

プレスリリース発表元企業:株式会社ウェルクス

配信日時: 2017-09-27 12:10:00

・介護福祉士の約9割は、現状の手当や待遇に満足していない・介護福祉士の約5割は、「5,000円以下」の資格手当・介護福祉士を取得しても、約8割は取得前と「実務内容に変化なし」

介護職の人材紹介サービス【介護のお仕事】(https://www.kaigo-shigoto.com)を展開する株式会社ウェルクス(本社:東京都墨田区両国)は、介護のお仕事研究所の読者、介護系のSNS(Facebook、Twitter)の読者を対象に、「介護福祉士の手当や待遇」に関するアンケート調査を実施しました。



【概要】
介護福祉士は介護の業界で唯一の国家資格です。
2017年に行われた介護福祉士の試験は、受験者数が前年に比べて約半数の76,323名に減りました。介護のニュースサイト「JOINT」(http://www.joint-kaigo.com/article-3/pg608.html)によると、介護福祉士の養成校の充足率は46.4%。いまや介護福祉士の人気は低迷しているかもしれません。いったい何が原因で介護福祉士の人気を下げているのでしょうか。その原因を探り、介護福祉士の地位向上や待遇の改善につなげていくべく、介護福祉士に「資格手当や待遇の満足度」に関して伺いました。

【調査結果】
■「介護福祉士の手当や待遇に満足していますか?」と質問したところ、「はい」12.7%、「いいえ」87.3%となりました。
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■「介護福祉士の手当はいくら支給されていますか?」と質問したところ、
「0円」18.6%、「1~5,000円」26.9%、「5,001~10,000円」29.1%、「10,001~20,000円」19.4%、「20,001~30,000円」0.7%、「その他」4.9%となりました。

手当の支給額が5,000円以下と回答したのは合計で45.5%と、半数近くになる結果でした。その内訳を施設形態別にみると、
「特別養護老人ホーム」25.9%、「デイサービス」17.2%、「訪問介護」15.5%、「グループホーム」8.6%、「病院」6.9%、「小規模多機能型居宅介護」5.2%、「老人保健施設」5.2%、「有料老人ホーム」5.2%、「その他」10.3%となりました。

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■「あなたの職場の種類を教えてください」と質問したところ、以下の結果となりました。
「特別養護老人ホーム」20.1%、「デイサービス」17.2%、「訪問介護」12.7%、「グループホーム」9.7%、「老人保健施設」8.2%、「有料老人ホーム」8.2%、「病院」7.5%、「小規模多機能型居宅介護」6.7%、「サービス付き高齢者向け住宅」2.2%、「その他」7%となりました。

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■「あなたの役職を教えてください」と質問したところ、
「スタッフ」70.1%、「主任・リーダー」20.9%、「管理者」6.7%、「経営者」2.2%となりました。

■「介護福祉士の受験ルートを教えてください」と質問したところ、
「実務経験ルート」81.3%、「養成施設ルート」14.9%、「福祉系高校ルート」3.7%となりました。


■「介護福祉士を取得した理由を教えてください」と質問したところ、以下の回答がありました。

「スキルアップのため(特別養護老人ホーム勤務、30代・男性)」

「この業界に入ったのが遅かったのでとりあえず資格習得を当面の目標としました。モチベーションを高める意味もあったと思います(グループホーム勤務、60代・男性)」

「深い意味はなし。取れるようになったから(特別養護老人ホーム勤務、30代・女性)」

「転職に有利だから(小規模多機能型居宅介護勤務、40代・女性)」

「施設からの業務命令!(特別養護老人ホーム、50代・男性)」


■「介護福祉士を取得してから実務内容に変化はありましたか?」と質問したところ、
「はい」19.4%、「いいえ」80.6%となりました。

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■「実務内容に変化があった方は、どのような変化がありましたか?」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。

「前職でサ責や生活相談員を経験した(グループホーム勤務、50代・女性)」

「役職がついた(デイサービス勤務、50代・女性)」

「サービス提供責任者になり、現場と書類作成、ヘルパーの育成を担当するようになった。仕事量が増えすぎた(訪問介護勤務、40代・女性)」

「介護職員初任者研修講師を勤め、新任指導にもあたるなど業務内容がより高度なものになってきました(デイサービス勤務、30代・男性)」

■「現在の実務内容に満足していますか?」と質問したところ、「はい」24.6%、「いいえ」75.4%となりました。

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■「介護福祉士を取得後、自分のサービスの質で向上したと思われる点を教えてください」と質問したところ、「変わらない」45人(33.6%)、「介護に関する知識が増えた」80人(59.7%)、「医療に関する知識が増えた」52人(38.8%)、「利用者さんの喜ぶサービスを提供できる頻度が増えた」29人(21.6%)、「介護に関する悩みが減った」7人(5.2%)、「その他」6人(4.2%)となりました。

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■「介護福祉士を取得後、周りからの期待や接し方はどう変わりましたか?」と質問したところ、
「変わらない」84人(62.7%)、「仕事を任される機会が多くなった」38人(28.4%)、「指摘が多くなり、厳しくされるようになった」17人(12.7%)、「褒められることが増え、優しくされるようになった」4人(3%)、「その他」2人(1.4%)となりました。

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■「その期待や接し方に関してどう思いますか?」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。

「資格はあっても無くても同じもの(特別養護老人ホーム勤務、40代・女性)“変わらない”と回答」

「苦労、時間、お金をかけて修得したが、今の勤務先では、何にもわかっていたたけないことが、悲しく感じます(デイサービス勤務、50代・女性)“変わらない”と回答」

「責任が重くなったが、仕事へのやりがいは増えた(特別養護老人ホーム勤務、50代・男性)“仕事を任される機会が多くなった”と回答」

「これからは人に頼ってばかりでなく自分がリーダーシップを発揮しなければという思い(グループホーム勤務、男性・60代)“仕事を任される機会が多くなった”と回答」

「出来て当たり前と思われてるのが辛い(デイサービス勤務、30代・男性)“仕事を任される機会が多くなった”“指摘が多くなり、厳しくされるようになった”と回答」


■「介護福祉士を取得して良かったと思いますか?」と質問したところ、「はい」79.1%、「いいえ」20.9%となりました。

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■「はい」と答えた方に「それはなぜですか?」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。

「国家資格だから(訪問介護勤務、50代・女性)」

「無いよりはマシだから(特別養護老人ホーム勤務、40代・女性)」

「資格を取得したことで、業務の幅も拡がり、より周囲の方々(職員以外の一般の方含む)からも介護、福祉についての相談など頼られる場面が増えたため(デイサービス勤務、30代・男性)」

「転職時に大いに役立った(小規模多機能型居宅介護勤務、40代・女性)」

「仕事をしていると資格を聞かれて、国家資格をもっているだけで安心して貰える(訪問介護勤務、40代・女性)」


■「いいえ」と答えた方に「それはなぜですか?」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。

「資格を取っても給料がたくさんあがるわけでもないし、施設の中でも看護師、ケアマネ、相談員…の下の格付けにはかわらないから(有料老人ホーム勤務、30代・女性)」

「責任や仕事量ばかり増え、待遇は良くない(特別養護老人ホーム勤務、30代・男性)」

「給料や待遇が悪すぎて、他の仕事を選んだ方が良かったと思うから(特別養護老人ホーム勤務、20代・女性)」

「批判されることはあっても、褒められる事がなくなりました。それどころか、疎ましくも思われています(有料老人ホーム勤務、男性・40代)」

「施設側には介福持っている人数で市から手当が出ているのに、スタッフには還元されていない。責任の重い対応ばかり押し付けられても手当が無資格のスタッフと同じ(特別養護老人ホーム勤務、50代・女性)」


■「どうなれば、さらに介護福祉士を取得してよかったと思われますか?」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。

「給料アップ。せめて…年収400万はほしい(有料老人ホーム勤務、30代・女性)」

「介護福祉士と無資格者の違いを明確にしてほしい 介護福祉士はできても無資格者は、出来ない業務などなど 今のままではせっかく国家資格を頑張って勉強したのに 職場では、意味がないです 何も変わらないから(特別養護老人ホーム勤務、20代・女性)」

「仕事以前に、人間関係や仕事の割り振りに頭を悩ます事が多く、本来の利用者様への関わりが減っている為に折角の専門知識が生かせない事が多い。こうした問題を解決しないと、介護福祉士を習得しても特養では生かせない(特別養護老人ホーム勤務、50代・男性)」

「医療行為のケアができるように実務経験等で准看の試験が受けれる門が開ければ、良いかと思います(訪問介護勤務、40代・男性)」

「現在の職場では資格より社歴に重きが置かれていて発言しにくい。改善されればやる気に繋がる(有料老人ホーム勤務、50代・女性)」


■「さいごに、介護福祉士に関して自由にご意見をお聞かせください」と質問したところ、以下のような回答が寄せられました。

「国家資格ですし、勉強してきて取ったものだからもっと給料面など待遇を良くして欲しい!精神的にも肉体的にもきつい仕事なのに、待遇が、悪すぎる(特別養護老人ホーム勤務、30代・女性)」

「現在介護福祉士の思いや意識、がまだまだ低いと思う。介護職の地位向上と言うが自分達の向上が必須だと思う。それには意識や一般常識がまだまだ介護業界には足りないと思う。それをリーダーシップをとってマネージメント等して行くのが介護福祉士だと考えている。介護士と言われた時に違います!私たちは介護福祉士ですと胸を張って答えていけるようにして行く(特別養護老人ホーム勤務、30代・男性)」

「私は、子どもの時から、介護の仕事をしたくて勉強してきました 介護福祉士として働くのが夢でした 今、働いている職場で勉強して介護福祉士を取得しました 取得してだいぶたちますが、いまだにヘルパー2級をもっていた頃とやっていることは同じです(特別養護老人ホーム勤務、20代・女性)」

「現在、名称独占だけなので、資格を持つ意味が弱いと感じています。 業務独占になれば、介護福祉士の地位も向上すると思います(ショートステイ勤務、50代・女性)」

「社会的な認知度、地位が向上すれば良い人材が集まるのでしょうが。夜勤を6回しても僅か手取り16万では、若者を呼べない。昇給は望めず、モチベーション上がらず、ストレスばかり蓄積していく。介護福祉士を目指す人が減るのは、当然です(グループホーム勤務、40代・女性)」


■まとめ
約8割の方が「介護福祉士を取得して良かった」と回答しています。一方で、「どうなれば、さらに介護福祉士を取得してよかったと思われますか?」の問いでは、ほとんどの方が「給料アップ」と答えています。資格手当については、約5割が「5,000円以下」でした。また、約8割の方が業務内容に変化なしと答えています。

せっかく時間もお金も使って「介護福祉士」を取得したとしても、5,000円以下の手当と変わらない業務内容では、取得したいと思わない方が増えても仕方ないかもしれません。

介護福祉士の人気を上げるために改善すべきこととは、何なのか。みなでじっくりと考えていきたいです。
アンケートにご協力いただきましたみなさま、貴重なご意見をありがとうございました。


■アンケート調査概要
・調査期間:2017年8月29日(火)~9月4日(月)
・調査対象:介護のお仕事の読者のほか、介護系のfacebookのグループの読者となっている全国の20代~60代の男女134名
・男女割合:男性47%女性53%
・役職割合:「スタッフ」70.1%、「主任・リーダー」20.9%、「管理者」6.7%、「経営者」2.2%


【株式会社ウェルクスについて】
株式会社ウェルクス(URL:http://www.welks.co.jp、本社:東京都墨田区、代表取締役:三谷 卓也)は、人材不足が問題といわれている保育士や介護職の人材紹介業を中心に事業展開しています。近年では認知症に関するメディア事業のほか、放課後等デイサービスの運営も展開しており、福祉領域の課題解決を行っています。


【介護のお仕事とは】
介護のお仕事(http://www.kaigo-shigoto.com/)とは、介護職専門の転職支援・適職紹介サービスです。主に転職や復職にて、介護施設や事業所で働きたい介護職の方と求人中の施設・事業所とを仲介する形で、復職・転職を全面的にサポートしています。特養、老健、グループホーム、デイサービス、サ高住など、幅広い就業先をご用意しています。その他、介護に携わるうえで役立つ情報を【介護のお仕事研究所(http://www.kaigo-shigoto.com/lab/)】を通じて紹介しています。


【本リリースに関するお問い合せ】
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株式会社ウェルクス 介護のお仕事研究所担当
担当:佐田(さた)
TEL:03-5638-6191 FAX:03-5638-6192
MAIL: tomoko-sata@welks.co.jp

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