コーポレート・ガバナンス・アワード2015 大賞受賞者の発表と開催報告

プレスリリース発表元企業:日本マネジメント総合研究所合同会社

配信日時: 2015-12-14 06:00:01

日本マネジメント総合研究所合同会社  2015年12月14日

この度、下記の通り毎年恒例のコーポレート・ガバナンス・アワードを
開催し、基調講演に続き、「勇気あるガバナンス大賞」「勇気ある監査
役大賞(監査関連役員・監査委員等含む)」「勇気ある通報者大賞」の
3大賞の受賞者を発表致しました。

本アワードは、運営費用の全額を主宰者の戸村智憲の私費により開催し
ております。

開催日程: 2015年12月11日(金)15:00~17:00
開催会場: ホテルグランドヒル市ヶ谷「翡翠」の間 (東京都新宿区)
ご参加費: 無料(競合他社など企業の枠を超えて受付)
主  宰: 日本マネジメント総合研究所合同会社 理事長 戸村智憲
主  催: 日本マネジメント総合研究所合同会社
メディアスポンサー: 日本工業出版(株)・『流通ネットワーキング』
大賞選考委員長: 戸村智憲
基調講演: 「巨額“不適切会計”の問題と企業統治」
       日本マネジメント総合研究所合同会社 理事長 戸村智憲
大賞発表:コーポレート・ガバナンス・アワード(CGアワード) 大賞発表
     主宰よりコメント
      ・「勇気あるガバナンス大賞」
      ・「勇気ある監査役大賞」(監査関連役員・監査委員等含む)
      ・「勇気ある通報者大賞」
概要: http://www.jmri.co.jp/cgaward.html  

3大賞の受賞者(各大賞の選考理由詳細は下記参照)

・「勇気あるガバナンス大賞」2015年度
  いわゆる「資生堂ショック」を報じてダイバーシティ経営の副作用・
  問題を正面から報じたNHK取材班(マスコミ受賞)

・「勇気ある監査役大賞(監査委員等含む)」2015年度
  某社会福祉系団体において、監査の役員として不正を見過ごさず
  指摘するも、最終的には法制度の限界から自ら辞職をもって抗
  議した方(男性)(匿名対応)

・「勇気ある通報者大賞」2015年度
  東芝の社内から全容解明に寄与する公益通報を行い自浄作用と
  健全化への最後の砦となった方々 (合同受賞)


【勇気あるガバナンス大賞(2015年) 受賞者】
 いわゆる「資生堂ショック」を報じてダイバーシティ経営の副作用・
 問題を正面から報じたNHK取材班(マスコミ受賞)

<選考理由>
 同受賞者(マスコミ各社)は、安倍政権の重要課題であるダイバーシティ
推進や女性活躍において、とかく世論を操縦するかのような「ふわっとした
ダイバーシティ・女性活躍推進」の論調でバラ色の未来像の演出・世論喚起
において現実的問題を必ずしも現実的な問題に突っ込み切れていない中で、
日本各社のダイバーシティ・女性活躍推進の場面で直面する問題を、マスコ
ミにおける「社会的監査機能」を少なからず発揮して問題提起と健全に現実
的課題への再考の場を提供する役割を果たした。NHK全体のガバナンスにつ
いては議論の余地が多分にあるが、その中の活動は評価し得る。
 もちろん、ダイバーシティ経営は女性活躍推進のみを意味するものではな
く、LGBT(セクシャル・マイノリティー)や障害者雇用(改正障害者雇用
促進法)や多様な人種・宗教・文化などを包含するものであり、コーポレー
トガバナンスコードでもダイバーシティの多様な局面での対応が求められ
るものであるが、少なくとも、日本企業における女性活躍と少子化対策に
偏重したダイバーシティ議論における重要な問題に、あえて積極的にマス
コミによる社会的課題を問いかけた点が評価し得るものと考えられる。
 いわゆる「資生堂ショック」についての詳細は、2015年11月9日(月)
NHKニュースおはよう日本
 http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/11/1109.html 
に掲出されている通りであるが、この内容が社会的にダイバーシティ・女性
活躍推進のあり方を問い直すきっかけとして社会的ムーブメントを巻き起こ
したことにより、各企業現場でダイバーシティ施策を活用する方々が直面す
る不合理やハラスメント(マタハラやパタハラなど)において、企業の
画一的な施策で良しとするガバナンスを改革する契機になり得る点も評価
し得るものである。


【勇気ある監査役大賞(監査委員等含む)(2015年) 受賞者】
 某社会福祉系団体において、監査の役員として不正を見過ごさず指摘す
 るも、最終的には法制度の限界から自ら辞職をもって抗議した方(男性)
 (匿名対応)

<選考理由>
 同受賞者は、社会福祉系の団体において、経営陣の監査関連担当の役員と
して経営陣による不適切な不動産取引や運営上の問題を指摘し、健全な経営・
運営を目指したものの、政治家が絡んだ問題や一般企業と異なる法制度や
慣習等における限界等に行く手を阻まれ、保身や馴れ合いや不正を見て見ぬ
ふりをせずに、健全に個人としても職業人としても生きていく上で、最終的
に辞任をもって抗議しつつ、辞任後は一職員として別の社会福祉系団体にお
いてまっとうな道を選んで自らの人生に恥じない対応をとった姿勢は、一般
企業の監査役とは異なる法制度において最大限の健全性を保つ努力を果たし、
役員や好条件の職を辞してでも一職員として歩み直す監査人としてあるべき
姿のひとつとして評価され得る。
 新たな一職員としての道を粛々と歩んでいかれる中で、実名による公表で
は新たに得た職において平穏で健全に過ごすことが困難な報復・嫌がらせ・
各種の支障などを生じさせてしまいかねないため、社会全体でどの法人の
どなたが受賞されたかわからなかったとしても、受賞者ご本人だけであって
も、報われない思いが解消されたとすれば、本賞の意義は十分満たせるであ
ろうことから、匿名での受賞とした。


【勇気ある通報者大賞(2015年) 受賞者】
 東芝の社内から全容解明に寄与する公益通報を行い自浄作用と健全化へ
 の最後の砦となった方々 (合同受賞)

<選考理由>
 同受賞者は、東芝の巨額の粉飾決算により、オリンパスの「飛ばし」の
不祥事における課徴金の10倍近い、過去最高の70億円を超える課徴金が科せ
られるに至った問題において、当初の第三者委員会の報告や東芝の公式見解
等では現れてこなかった全容を解明する上で、貴重な役割を担ったものであ
り、公益通報者がコーポレート・ガバナンスの一翼を担う重要な責を果たし
た点は、オリンパスの不祥事発覚の際のウッドフォード元社長による公益通
報よりはるかに高く評価され得るものといえよう。
 コーポレート・ガバナンスは水平方向でのチェック・アンド・バランスの
みならず、内部統制・公益通報者保護制度と一体のものとして垂直型のチェッ
ク・アンド・バランスが不可欠であるが、公益通報に至った背景・思惑は様々
にあり得るかもしれない一方で、企業健全化への最後の砦として果たした
役割は計り知れない意義があるといえよう。
 本来は監査役・監査委員・社外取締役といった役員層において早期に問題の
指摘と自ら膿を出し切る対応が必要であったものの、十分にコーポレート・
ガバナンス上の責を果たせていなかった役員層の方々に比して、この公益通報
者各位が果たした役割は、役員によるコーポレート・ガバナンスの責を超える
重要な責を果たしたものと思料され得る。


【事前のおことわり】
 この「勇気ある監査役大賞」「勇気ある通報者大賞」「勇気あるガバナンス
大賞」は、選考された方や団体などの過去の隠された事実や今後の健全性を
担保・確証あるいは健全であり続けると保証するものではない。
  各大賞の選考の参考基準(参考例)
   ・私利私欲からではない勇気ある言動・通報・告発かどうか
   ・被害者や社会など誰かの役に立っているかどうか
   ・売名行為や意趣返しとしての言動・通報・告発になっていないか
   ・正義を成すにもその成し方が正しいかどうか などに沿って選定
 選考アドバイザーの方々や一般投票にて当社へご推薦やアドバイスなど頂き
つつ、本大賞選出における不利益を特定のご協力者さまに負わせることのない
よう、最終的な責任と選出を当社にて行い、正しさを求めて勇気を出された
方々を社会に応援する上で最適ではないかと思われる方や団体等を選考した。
 必ずしも、問題・事件などの報道の大きさやインパクトの大小で決まるもの
ではない。また、通報の権利や監査役の権利の濫用をあおるものでもない。
 ここでの大賞発表は、日本における全ての企業や監査役や通報者などの活動
を網羅的に全事案・秘められた事実などを完全に把握できたものではなく、主
に公表された情報等を基にしている。したがって、「名もなき戦士」のように
表に現れてきていない正しさへ向けた争議に当たられている方々がいらっしゃ
るであろうことと、その方々への応援も併せてお届けできればと思う。
 今後、大賞発表などの活動を続けていける際には、より合理的・機能的な選
考過程と十分な調査・準備期間を設けて進めていければと思う。しかし、主宰
者の思いとして、企業・団体に媚びるような大賞であったり、いたずらにあお
るような大賞であることではなく内部自治・統治体の中での自浄作用を高める
上で大切な取り組みを社会としてまっとうに評価していければと願っている。
 企画運営ともに至らぬ点が多々あろうが、社会的に各方面でのまっとうで妥
当な言行をたたえるため全額を戸村の私費でまかないつつ行う社会貢献活動と
して、温かくお見守り頂ければ幸いである。
 あまりかっこよくないお話しではあるが、今回も大賞発表において、いわゆ
る「受賞者」へのトロフィーのようなものの贈呈や受賞者スピーチと宴席とい
うような華美な仕掛けは設けないこととしている。そのような虚礼的行為にか
ける資金があれば、その分だけ国連機関や日本赤十字社等に寄付すべきではな
いかと主催者は考えている。
 中には、指摘や監査活動や通報等において、もうそっとしておいてほしい、
という方々や、そもそも、受賞を目的にして活動しているわけではないという
無欲な方々がいらっしゃると思われる。そのような方々を、無理やりスピーチ
や賞状授与の場に引きずり出すことは本意ではない。
 そこで、ここでの大賞発表は、あくまでも社会として監査役や通報者やガバ
ナンスの一翼を担われる方々の組織の健全化に取組まれている方々の活動を風
化させたり疎外したりせず、社会的に応援する土壌を耕す第一歩としてとらえ
ている。
 今回も、ショーアップも損得も何もない中で、ひっそりとでも確実に、監査
役の活動や通報者の活動やガバナンス健全化への活動等を理解し尊重していけ
る場になればと思う次第である。


以上でございます。

本リリースに関するお問い合わせ先:
日本マネジメント総合研究所合同会社
理事長 戸村 智憲
107-0062東京都港区南青山2-2-8 DFビル5階
電話:03-6894-7674  FAX:03-6800-3090
メール: info@jmri.co.jp
ウェブ: http://www.jmri.co.jp/ 

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