HIRAKU Project Vol.15「大西康明 境の石」展 開幕

プレスリリース発表元企業:ポーラ美術館

配信日時: 2024-01-16 14:00:00

無数の銅箔を通じて空間や時間を捉えなおす大規模インスタレーション



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展示風景:「大西康明 境の石」ポーラ美術館、2023年 Photo: Ken Kato
ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)では、HIRAKU Project Vol.15「大西康明 境の石」展を2024年5月19日(日)まで開催中です。外光あふれるアトリウム ギャラリーで展開される、銅箔を用いた大規模インスタレーションをご覧いただけます。

これまでに大西は、接着剤やポリシートなどの工業製品を材料として、空洞や余白、日常的に は意識されないような「間」や「境界」を可視化する作品を制作してきました。近年は、銅箔 を河原の石に被せて叩くことによってその形を型取り、それらを大規模なインスタレーション へと構成する作品を制作しています。

アトリウム ギャラリーの壁面を大きな容器のような凹部と捉えた《境の石 凹(おう)に凸(とつ)》では、3つの壁面に取り付けられたさまざまな形の銅箔が、重力から解き放たれたように垂直方向へと展開される一方、ロビー空間に設置された《境の石 凸に凹》では、大小5つの球体状のワイヤーの表面に、凹面をこちらへ向けた銅箔が、まるで満開の花のように並んでいます。

銅箔は、一般的に電化製品の内側の基盤などに使われ、わたしたちの目の届かない場所で機能しています。その銅箔が型取る石の表面の形状は、それぞれが長い年月をかけて地球の表面を転がり、その過程で削られ磨かれてきた物理的な喪失や、そこに至るまでの時間の蓄積を想起させます。

大西の作品は、そこにないもの、見えないものに焦点を当てることで、凹/凸、ポジ/ネガ、有機/無機といった様々な「境」を観る者に問いかけます。石という重厚な物体が、軽やかな浮遊感や、あるいは花びらのような儚さを伴いながら新たな風景をつくり出す様は、この世界を新しい視点で眺め、空間や時間を捉え直す体験をもたらすことでしょう。

【展示風景】

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展示風景:「大西康明 境の石」ポーラ美術館、2023年 Photo: Ken Kato[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/26617/134/26617-134-a6ab49712735c530d4c2e4de6a3e5ff3-3000x2000.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
展示風景:「大西康明 境の石」ポーラ美術館、2023年 Photo: Ken Kato[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/26617/134/26617-134-b6cd9be31a6209b64c535dbda7537c90-1800x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
《境の石 凸に凹》(部分)2023年 銅箔、鉄 サイズ可変 Photo: Ken Kato[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/26617/134/26617-134-8791976d9a80a8ac3a9170ef018c63cd-3000x2000.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
《境の石 凹に凸》(部分)2023年 銅箔 高350.0×幅1076.6×奥行518.5cm Photo: Ken Kato

【作家からのコメント】



型を取るという行為は、元の形を残してその入れ物を作る作業です。
私にとって作品を作るという行為は、入れ物のような空間に連続する行為の痕跡を注ぐ作業です。

河原を写し取るという目的で始めた作品には、形だけでなく時間や目に見えない部分まで含まれています。皺を付けた銅箔を指先で石の塊に押し付け、木槌のような道具を使ってその表面を叩きながら石を撫でることは、石が地球の表面を移動してきた痕跡と重なります。

石の型を取り、その型を置き直す作品は、地球という球体やその上に生きている我々を測り直す作業の結果です。世界を測り直すことは、これまでとは違った位置に立って対象と向き合うことです。


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Photo: ヨシダミナコ

【関連イベント】
会期中に、出展作家を招いたイベントなどを予定しています。
詳細は改めて、公式ウェブサイトにてお知らせいたします。

【大西康明(おおにし・やすあき) 略歴】
1979年、大阪府生まれ。大阪府在住。2001年、筑波大学芸術専門学群美術専攻卒業。2004年、京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2011年度ポーラ美術振興財団在外研修員(イギリス)。
近年の主な個展に、「Permeating Landscape」Bellagio Gallery of Fine Art(ラスベガス、アメリカ、2019年)、「reverse of volume」Weber State University, Kimball Visual Arts Center, Mary Elizabeth Dee Shaw Gallery(オグデン、アメリカ、2019年)、「Hidden Landscapes: Yasuaki Onishi」COCONINO Center for the Arts(フラッグスタッフ、アメリカ、2018年)など。
主なグループ展に、「Taoyuan Land Art Festival」Longtan Sports Park(桃園、台湾、2023年)、「SCHLOSSMEDIALE」Schloss Werdenberg(グラープス、スイス、2023年)、「境界を縁どる―石、呼吸、埋立地」福岡アジア美術館(福岡、2022年)、「ART OSAKA 2022 Expanded」クリエイティブセンター大阪(大阪、2022年)などがある。

【展覧会概要】
HIRAKU Project Vol. 15「大西康明 境の石」
会期:2023年12月16日(土)-2024年5月19日(日) 会期中無休
会場:ポーラ美術館1F アトリウム ギャラリー
観覧料:無料
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
協力:福田金属箔粉工業株式会社、アートコートギャラリー
展覧会特設サイト:https://www.polamuseum.or.jp/sp/hiraku-project-15/

【HIRAKU Projectについて】
HIRAKU Projectは、過去にポーラ美術振興財団の助成を受けた作家を紹介する展覧会シリーズです。美術の表現と美術館の可能性を「ひらく」という思いが込められた本プロジェクトは、ご来館の方はどなたでも観覧料無料で、アトリウム ギャラリーにてご覧いただけます。

【同時開催】
「モダン・タイムス・イン・パリ 1925―機械時代のアートとデザイン」※別途入館料が必要です
会期:2023年12月16日(土)-2024年5月19日(日) 会期中無休
展覧会特設サイト:https://www.polamuseum.or.jp/sp/moderntimesinparis1925/

【ポーラ美術館について】
2002 年に「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに神奈川県箱根町に開館。印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心とした、国内屈指のコレクションを核とする展覧会を開催する一方、現代美術の第一線で活躍する作家たちの作品も展示し、同時代の表現へと展望を拡げている。富士箱根伊豆国立公園という立地を生かした森の遊歩道では四季折々の豊かな自然を楽しめる。
開館時間︓午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日︓展覧会の会期中は無休。

所在地︓神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285 
TEL︓0460-84-2111
入館料:大人¥1,800/シニア割引(65歳以上)¥1,600/大学・高校生¥1,300/中学生以下無料/障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで)¥1,000 ※すべて税込 団体割引あり
公式Webサイト:https://www.polamuseum.or.jp/

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