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アドアーズ:東京証券取引所のアナリスト協会で個人投資家向けの説明会を開催
■新体制による今期の方針や、今後の展開について中心に説明
アミューズメント施設運営のアドアーズ <4712> (JQS)は8日、東京証券取引所のアナリスト協会で、個人投資家向けの説明会を開催した。
取締役社長中川健男氏は、会社概要、事業紹介に続き、第3四半期の業績実績について「新経営体制の下、震災の影響や、電力の供給問題等非常に課題の多い中、主力のアミューズメント施設運営事業が牽引する形で、期初に想定した以上の大幅な増益を達成しております」と予想以上のペースで業績の回復が進んでいることを紹介した。第3四半期連結業積は、売上高171億27百万円(前年同期比9.1%減)、営業利益9億54百万円(同121.4%増)、経常利益5億98百万円(同211.7%増)、純利益8億63百万円(同1145.5%増)と減収ながら大幅増益を達成している。
第3四半期業績の説明の後、「本日は、短い時間での紹介になりますので、決算内容の紹介というよりも、当社の変革の原動力であります新体制による今期の方針や、今後の展開について中心にご説明いたします」とアドアーズの事業戦略について語り始めた。
■アミューズメント施設67店舗のうち8割強が首都圏
「当社の強みは、現在アミューズメント施設を67店舗運営していますけれども、そのうちの8割強が首都圏にあります。他社は首都圏、駅前には3割強の出店です。そのため、駅前、繁華街中心に集中した店舗網により、高い集客力と効率性を両立しています。首都圏は商圏人口が非常に多いということは言うまでもありませんけれども、駅前自体が複合施設となっていて、高い集客力によって、安定した収益を得ることが可能です。物流に関しても効率的で、コストを抑えることが出来ます。また、上場会社としての資本力、購買力があり、しかもメーカー系ではないことから、マシン選定にしがらみがなく、自由度の高い商品ライナップを提供できているのが当社の強みです。更に、ゲームセンターを構築する大きなカテゴリーの一つであるメダルゲームを日本で初めて開発し、提供した企業であります。この40年培ったメダルゲームのノウハウは、メダルゲームのパイオニア、老舗としての業界のトップでありまして、今でも多くのファンに愛されています。これらの強みに加えまして、データーベース化や女性従業員の意見を生かした店舗作り、更にはサービス業の基本であります接客を徹底的に強化するため、全従業員を対象としました接客コンテスト、あるいはアルバイトも含む従業員研修などにより、地域のお客様に合わせたサービス提供を行っています。また、コアなお客様だけでなく、ファミリー、女性など幅広いお客様にご愛顧いただいていると自負しています」と同社の特長について紹介した。
■新経営体制は、基本に忠実に経営にあたることをモットーとし、3つの施策を実行
更に、「リーマン・ショック以後の業界の変革危機を乗り越え、また、業界を牽引するべく、昨年の5月に新経営体制に舵を切りました。先程のべましたように、業績は早速V字回復を達成していますが、新経営体制は、基本に忠実に経営にあたることをモットーに突き進んでいます。まず一つ目は、財務体質を健全化することにより、厳しい環境下であっても決して負けない企業体質の構築を図ることです。二つ目は、効率性、収益性を向上させ、無駄なコストを削減し、磐石な収益体質へ転換することです。三つ目は、将来へ向けた施策によりまして、収益基盤を強化し、常に上昇企業とすることであります。この基本に忠実な経営施策を全社一丸となって取組んでいます」と3つの施策について語った。
■有利子負債は10年3月期の142億円から今期末には60億円弱まで削減予定
財務体質の改善については、「有利子負債の圧縮を最優先した財務戦略を推進します。この有利子負債につきましては、10年3月期の142億円から11年3月期は101億円まで削減していますが、今期は第3者割当増資で、手元資金を確保しながら、中間決算時点で80億円弱まで削減しています。今期末までは60億円弱まで削減する予定であります。今後数年間で実質無借金状態に持っていきたいと考えています。今期末で60億円弱まで削減すると、資本に対する有利子負債率は、前期の1.34から今期末0.65と大幅に改善することになります。財務の健全性は高まっております。2点目の盤石な収益体質へ転換することについては、藤澤会長のもと新経営体制となって、さまざまな組織改正、システムを一気に見直しました。稟議決済の仕組みから営業網のマネージャー体制の変更と権限を移譲する等スピーディーな意思決定が出来る体制の構築に合わせまして、不要不急の制度、設備の合理化を徹底しました。販管費でも数億円規模で削減できましたが、それにより全社的な意識改革に繋がっており、効率化が図られていると実感しています。収益力の強化につきましては、これらの企業体質の改革をもとに、既存店舗の集中強化に取組みます。マシンの地域性、お客様のニーズを踏まえた効率的な投資、継続的な新規顧客の獲得、あるいはお客様のリピート率向上に向けた店舗ごとの地域性に合わせたイベントの開催、店内の環境づくり等を行いまして、次世代アミューズメント施設の確立を図っています。特に直近の顧客単価の下落の影響、あるいは将来の少子化にも目を向けまして、新規のお客様の獲得については、徹底的に重要視しております。人気マシン、景品の品揃えを強化する等によりまして震災の影響にもかかわらず、前年を上回るお客さまにご来場いただいているほか、地域密着型の店舗では、多くのファミリー、シニア層からのご愛顧も頂けるようになりつつあります。来客数は、前年同期比100%越えを含めて、数と幅の両面で可能性が広がっています」と施策が実現し成果を出していることを紹介した。
■ゲオ社よりカプセル自販機業務を独占受託する等新規事業を展開
新規事業については、「将来に向けまして、常に常勝企業とするべく、企業の活力の基盤づくりを推進すると共に、将来に目を向けた新規事業の展開を第三の戦略として展開しております。上期ではレンタルビデオ業界の雄でありますゲオ社と業務提携を結びまして、同社の全店を対象としましたカプセル自販機業務を独占受託いたしました。昨年6月から全国の業者の店舗にカプセル自販機の設置を展開しておりますが、将来は10億円規模のビジネスを有する事業に成長させたいと考えています。また、日本版カジノに向けましての戦略としまして、マカオの大手カジノ、サンズ・マカオに当社店舗を開設しています。このサンズグループとのリレーション作りによりまして、今後のカジノ事業における可能性を拡げるために、先を見据えた戦略を推進しています。他にも今後のお客様の層を広げるために、複合介護施設のそよ風の運営する施設に、試験的にゲームマシンを設置し、シニアのニーズに向けたマーケッティングを実施する等、アライアンス企業との新設備を活用した研究開発にも着手しています。この様に当社の様々な動きは、先ほど申しました新規事業への取組み、新規顧客へのアプローチを中心に、業界内外からも高い注目度を集めています」と新規事業への取組みについて語った。
■今12年3月期は、業績が順調に推移していることから上方修正を発表
今12年3月期業績予想は、業績が順調に推移していることから、上方修正を発表している。今期業績予想は、売上高236億円(前期比0.9%減)、営業利益10億50百万円(同298.2%増)、経常利益9億円(同1100.3%増)、純利益9億円(前期△41億97百万円)と減収ながら、大幅増益で黒字転換とV字回復を見込んでいる。
今後の事業展開に関しては、「当社の経営目標は、経常利益率10%、ROE10%であります。当期の経常利益率はまだ3%程度と道半ばでありますが、来期以降の更なる底上からこの数値に近づくものと思っています。また、この経営目標の実現に向けまして、最も重点的に取組んでいす。まず、財務体質の強化でございますけれども、先ほど申し上げました通り、有利子負債を今期末までには60億円弱まで削減し、あと数年で実質無借金として、収益力を向上させるだけでなく、経営の自由度を高めてまいります。事業の主力でありますアミューズメント施設運営事業の店舗の強化はもちろんでありますが、多店舗というリアル性を活かした事業展開を図りたいと思っています。話題となっています、グリーやDeNAといったモバイルゲームの爆発的な浸透によりまして、ゲーム人口は国民の半分を超えようとしています。過去、ファミコンや家庭用ゲーム機によって育ちましたゲーム層は、ファミリー層、シニア層となってきております。ゲームセンターを身近な娯楽施設と感じていただけるようになっています」と経営目標と現状の分析を紹介した。
■Jトラスト社が楽天より買収しましたKCカードと提携を発表
「今、ネット文化の隆盛の時代となっていますが、顧客と直接接触できる店舗のリアルのコミュニティー性、家庭用ゲームにはないメダルゲームの強さを更に発揮していけるものと考えています。これらの当社独自の強さを活かし、アライアンスを組み、横展開することを考えています。その一つとしまして、1月15日に開示しました通り、Jトラスト社が楽天より買収しましたKCカードと提携を発表しました。クレジット会社が持つBtoCの決済機能や、様々な消費活動を網羅するマーケティングデータ、ネットでの展開力と、リアル店舗で培い、また、リアル店舗でしかできない当社の強みと融合させ、消費を上流から下流まで網羅した新しいBtoC事業を展開することを目標としています。この一環といたしまして、レンタルビデオビジネスと共同で連帯していこうと発表しておりますが、これもレンタルビデオビジネスだけでの成功を狙っているものではありません。クレジットカード顧客の会員サービスの一環という新しい概念のもと、今までのレンタルビデオでは出来なかったビジネスモデルで推進する予定です。第1段階では、会員顧客を獲得するということからスタートしますが、レンタルビデオには1店舗当たり、数万人規模の顧客があります、これを全てKCカード会員と置き換えまして、レンタルビデオサービスを軸に様々な会員サービスを提供することで、会員全体の満足度を高めてまいります。また、クレジットカード会社は、顧客のリアルの顔が見られない、リアルの会話がしにくいという物理的な弱点がありますが、そこをレンタルビデオ店の運営を通じて、当社のノウハウで補完していこうと思っています。ここまでですと、KCカードがメインと当社のメリットが少ないと感じられるかもしれませんが、当社のメリットも多岐にわたります。今回の事業は全てKCカードが出資する予定でありまして、あくまで、当社からの持ち出しはノウハウのみであります。更に今回の出店はアドアーズブランドで出店します。当社の主力事業であるゲームセンター事業は、お客様の層を広げることで、収益を上げていますが、この新規顧客の獲得に当たりましては、当社を知っている安心感が一番重要であります。いわゆる認知度ということであります。この認知度を上げるためには、非常に時間とコストがかかります。しかし、当社はこの事業を通じまして、通常は非常なコストがかかるブランディング戦略を出店による町のランドマーク化という露出を含めまして、実質業務委託を受ける形で得ることが出来ます。更に、年間数十店舗を検討する新規出店に伴う各種付随工事や業務を直接収益に寄与できると考えています。今は3月オープン予定の第1号店の開設に向けまして、全力を傾けているところであります」とカード事業に進出することを紹介した。
■2月29日よりグリーにて『争奪!ガチバトル』を配信
「更に、新たな事業といたしまして、ソーシャルゲームへの参入を決定しています。2月29日よりグリーにて『争奪!ガチバトル』の配信を行っています。企業を題材にした新しいゲームであります。キャラクターカードを集めまして、色々な敵と戦ったり、ゲームを行っている人にも参加してもらったり、一緒に戦っていただくゲームです。このゲームによる収益は、もちろん期待していますが、ソーシャルゲームというバーチャルからリアル店舗のゲームへ導くツールのひとつになるとも思っています」と今後の事業展開について語った。 前期の大幅な赤字転落を機に、一挙に経営体制を変えたことで、既に大幅増益を見込み、成果を上げている。また、将来を見越した事業戦略により、事業拡大のための布石を打っていることから、同社の今後の事業拡大は十分に期待できる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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