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今期利益下方修正:インフロニアHD、理由をチェックすると興味深い事実も浮上
インフロニア・ホールディングス(5076、東証スタンダード市場、以下インフロニアHD)は、2021年10月に前田建設・前田道路・前田製作所が、株式移転による共同持ち株会社を設立して誕生。手元の会社四季報新春号では、業績欄の見出しは【増勢】。
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確かに共同持ち株会社化後の収益推移は22年3月期「売上高:6829億1200万円、営業利益:374億8900万円、40円配」で始まり、以降前3月まで「3.9%増収、8.0%営業増益、15円増配55円配」「11.4%増収、15.0%営業増益、5円増配60円は」と順調。今3月期も「5.9%増収、15.6%営業増益」計画で始まったが、期中に売上高こそ6.3%増(8432億円)と上乗せも「6.6%営業減益(477億円)」と下方修正。株価にとっては、マイナスサプライズとなった。
がよくよく大幅営業減益の何故を覗き込んでみると、一抹の「?」を覚えた。インフロニアHDでは修正後に、こう発信している。
「営業減益は愛媛県大州市の大洲バイオマスの売却延期が主因。期初計画比110億円減」
「純益は前年比4億円増330億円、期初計画比54億円減」
「配当は60円配を据え置く」
無論、大洲バイオマスの売却延期が今後も影響する危惧はある。がインフロニアHDは「風力市場に関しては、陸上風力はポジティブ」とする見立てをしている。売却延期=売却額の見直し(減額)も無いとは言い切れないが・・・。
だが事業構造を再確認すると前期決算では、こう読み取れる。
*建築事業:集合住宅・工場・物流施設中心に、前期比27.7%増収(2736億円)。
*土木事業:橋梁・トンネルを軸に6.8%増収(1624億円)。
*舗装事業:建設工事やアスファルト工事用合材の販売が順調、3.2%の増収(2517億円)。
*機械事業:建設機械の製販で、クレーンなど自社製品が好調に推移。6.5%増収(397億円)。
*インフラ運営事業:前期に計上した風力発電所1件売却の反動、一部同案件の売却先送りで18.6%減収(183億円)。
この限りでは、インフラ運営事業の「今後の方針」がポイントと読み取れるが・・・
本稿作成中の株価は1100円台半ば水準、予想税引き後配当利回り4.2%弱。予想PER8.6倍台。昨年来高値1654円(3月21日)から同安値1105円(8月5日)まで値下がり後も前記の下方修正等もあり、持ち直しの感は見て取れない。
がある斯界に明るいアナリストの「(インフラ事業の)構造改革は今後を勘案する上で、同社にとりポイント」とするコメントが気になるところではある。好配当利回りを享受し、しばし様子見もありか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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