20日の香港市場概況:ハンセン0.2%安で続落、半導体・新興EVはしっかり

2024年12月20日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 20日の香港市場概況:ハンセン0.2%安で続落、半導体・新興EVはしっかり
20日の香港市場は、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比31.81ポイント(0.16%)安の19720.70ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が8.25ポイント(0.12%)安の7143.88ポイントと小幅ながら続落した。売買代金は1784億6010万香港ドルに拡大している(19日は1428億6960万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが継続する流れ。米長期金利の上昇や、トランプ米新政権の関税政策などが気がかり材料となった。昨夜の米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、一時、約7カ月ぶりの高水準を付けた。米金融当局が2025年利下げペースの鈍化見通しを示す中、足元ではインフレの警戒感も高まっている。トランプ氏は来年1月、米大統領に就任。公約通り高関税をかけた場合、中国経済成長の下押し圧力となる。


もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国経済対策の期待感が相場を支えている。11月の中国経済統計が弱い内容となる中、当局は金融緩和など、景気支援の動きを強めるとの見方が根強い状況だ。また、朝方公表された実質的な政策金利となる12月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は予想通り据え置かれたが、年内に預金準備率が引き下げられるとの期待は続いている。ハンセン指数などもプラス圏で推移する場面がみられた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が5.4%安、石炭中国最大手の中国神華能源(1088/HK)が3.5%安、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が3.4%安と下げが目立った。


セクター別では、非鉄・レアアースが安い。ニッケル大手の新疆新キン鉱業(3833/HK)が6.0%、ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が3.8%、非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が3.5%、エネルギー・資源会社の中信資源HD(1205/HK)が1.4%、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が1.2%ずつ下落した。


空運・海運セクターもさえない。中国国際航空(753/HK)が3.8%安、中国東方航空(670/HK)が3.4%安、中国南方航空(1055/HK)が3.1%安、太平洋航運集団(2343/HK)が3.7%安、海豊国際HD(1308/HK)が3.3%安、中遠海運HD(1919/HK)が2.6%安で引けた。


半面、半導体セクターは高い。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が8.2%、華虹半導体(1347/HK)が4.6%、晶門半導体(2878/HK)が4.4%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.4%ずつ上昇している。米政府が半導体の対中輸出規制を強化する中、国産品の需要拡大が意識された。


新興電気自動車(EV)関連も物色される。浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.4%高、理想汽車(2015/HK)が2.4%高、蔚来集団(9866/HK)が1.9%高で引けた。新興EV・ハイテクなどの物色で、ハンセン科技(テック)指数は0.1%逆行高でしている。


一方、本土市場も続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.06%安の3368.07ポイントで取引を終了した。エネルギーが安い。公益、消費関連、素材、運輸なども売られた。半面、半導体などハイテク関連は高い。軍事関連、医薬、銀行・証券も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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