早稲アカ Research Memo(1):塾生数が想定を上回るペースで進捗、2025年3月期業績は上振れの公算大

2024年11月29日 14:01

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記事提供元:フィスコ

*14:01JST 早稲アカ Research Memo(1):塾生数が想定を上回るペースで進捗、2025年3月期業績は上振れの公算大
■要約

早稲田アカデミー<4718>は、首都圏で小中高校生を対象とした進学塾「早稲田アカデミー」等を直営で展開しており、子会社の(株)野田学園で医歯薬系専門の大学受験予備校「野田クルゼ」を、(株)水戸アカデミーで茨城県内の小中学生向け進学塾「水戸アカデミー」を、(株)集学舎で千葉県内の小中高校生向け進学塾「QUARD(クオード)」を運営しているほか、米国や英国でも日本人子女を対象にした進学塾を各1校運営している。また、2024年1月に幼稚園・小学校受験を目指す幼児教室「サン・キッズ」を運営する(株)幼児未来教育を子会社化し、幼児教育領域にも進出した。

1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期(2024年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比6.2%増の16,972百万円、経常利益で同6.4%増の1,496百万円と中間期における過去最高値を更新し、期初会社計画(売上高16,865百万円、経常利益1,055百万円)に対しても上回って着地した。小学部を中心に期中平均塾生数が同2.3%増の47,679人と着実に増加したほか、「夏期集中特訓・夏期合宿」の参加者数が増加したことなども増収要因となった。利益面では、労務費や広告宣伝費等の増加を増収効果や業務効率の向上で吸収した。計画比で経常利益が441百万円上振れたが、主には広告宣伝費・販促費やICT関連投資の予算執行の一部を下期に変更したこと等が主因となっている。校舎展開としては、2024年6月に葛西校を移転リニューアル、7月に晴海校を新規開校、高輪台校を移転リニューアル、9月に個別進学館五反田校を新規開校したほか、生徒数増加に対応するため、田町校、武蔵境校、北浦和校の増床等も行った。この結果、中間期末のグループ直営校舎数は190校(他FC25校)となった。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.7%増の34,741百万円、経常利益で同1.8%増の3,003百万円と期初計画を据え置いた。前提となる通期計画の期中平均塾生数は前期比1.8%増となっているが、夏期講習後の入塾状況が好調で9〜10月の塾生数は前年同期比3.5%増と計画を上回るペースとなっていることから、通期業績も会社計画を上回る公算が大きいと弊社では見ている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、賃上げ促進税制による税額控除の減少により同9.6%減の1,927百万円を計画している。下期の新規開校は早稲田アカデミー標準校で1校、個別進学館で2校、東進衛星予備校で3〜4校(2025年春)と期初計画から変更はない。

3. 中期経営計画の進捗状況
同社は2024年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画で、2026年3月期に売上高353.4億円、経常利益30.0億円を目標に掲げていたが、経常利益は1年前倒しで達成できる公算が大きい。成長戦略は従来と変わりなく、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)最大化に向けた取り組みを推進していく。具体的には、新たに開始した東進衛星予備校事業や個別指導部門の強化により、集団指導・個別指導・IT授業と3つの形態の教育サービスを提供し、多様なニーズを取り込んでいくほか、幼児教育部門への進出によって早稲田アカデミーの低学年コースとの接続を行い、幼児から顧客の囲い込みを進めていく戦略だ。

4. 株主還元策
株主還元方針は、連結配当性向で35%以上を目標としている。2025年3月期は1株当たり45.0円(配当性向44.2%)の普通配当に加えて、創立50周年の記念配当10.0円を加えて55.0円とする予定だ。また、株主優待として保有期間に応じてQUOカード及び株主優待券の贈呈を実施しており、株主優待を含めた単元株主の投資利回りは11月12日終値(1,784円)換算で6.4%に、3年以上連続保有の株主では9.8%になる。

■Key Points
・小学部を中心に塾生数が増加。2025年3月期中間期は売上高、営業利益、経常利益で過去最高を更新
・東進衛星予備校、個別指導部門の強化に加えて幼児教育事業を育成することで、LTVの最大化に取り組む
・2025年3月期は記念配当を追加し、前期比15.0円増配の55.0円の配当を予定(創業50周年記念配当含む)、株主優待も実施

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》

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