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PCサービス Research Memo(3):2024年8月期は法人向けサービスの構造改革等により、3期ぶりに経常黒字
*13:03JST PCサービス Research Memo(3):2024年8月期は法人向けサービスの構造改革等により、3期ぶりに経常黒字
■日本PCサービス<6025>の業績動向
1. 2024年8月期の業績概要
2024年8月期の連結業績は、売上高で前期比2.9%減の6,264百万円、営業利益で同353.9%増の116百万円、経常利益で95百万円(前期は12百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で106百万円(同40百万円の損失)となった。売上高はVR機器販売特需の終了及び子会社のリペアネットワーク(株)※1の全株式を2024年2月末に譲渡した影響で減収となったが、法人向けサポートの構造改革及び店舗持込サポートの経営効率化に取り組んだ効果により、売上総利益率及び営業利益率が上昇し、経常利益は3期ぶりの黒字に転換した。また、子会社売却益61百万円を特別利益として計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は11期ぶりに過去最高を更新した※2。
※1 リペアネットワークは業績の低迷が続いており、2023年8月期は売上高122百万円、営業損失6百万円だった。
※2 2013年8期の単体ベースで69百万円が過去最高だった。経常利益は連結で2020年8月期の117百万円、単体で2014年8月期の121百万円が過去最高。
(1) フィールドサポート事業の動向
フィールドサポート事業の売上高は、前期比269百万円減少の4,939百万円となり、このうち主力の駆けつけサポートは同183百万円減少の2,682百万円となった。減収要因の大半はVR機器販売特需の終了によるものだが、駆けつけサポートの対応件数が同13.1%減の6.0万件と落ち込んだことも減収要因となった。ただ、平均売上単価は前期比7.0%上昇した。これは、2023年1月より直営店で料金改定を実施したのを皮切りに、提携先でも順次改定を進めたことによる。
件数が落ち込んだ要因は、自社集客においてWeb(Google検索)での集客が減少したことや、提携集客についても法人DXサポートに高度人材等の営業リソースを集中させ大型案件の受託に注力した影響もあって、既存提携先からの集客が減少したほか新規に獲得した大型案件も実稼動するまでに一定の期間を要し、2024年8月期への貢献が限定的だったことが挙げられる。同社は件数の回復施策として、自社集客ではユーザーの行動変容に対応すべく、テレビCMやSNSなど多様な集客チャネルを通じた認知度向上に取り組んでおり、提携集客についても大手ベンチマーク先の新規獲得に注力するとともに、既存提携先との関係性を強化することで集客数の回復を図っている。また、適正人員確保と効率的な人材配置のための採用、育成、フォローアップ体制の構築にも注力していく方針だ。
代行設定サポートは前期比54百万円減の366百万円となった。これは、採算改善のため提携先と価格改定交渉を進めるなかで、交渉が不調に終わった企業の解約が発生し、対応件数が同22.9%減少したことによる。しかし、利益面でのマイナス影響はなく、平均売上単価もマイナンバー関連案件を受注したこともあり同28.0%上昇した。キッティングは法人からの受注増により同49百万円増の465百万円となった。
店舗持込サポートは前期比67百万円減の908百万円となった。駆けつけサポートと同様の理由により、対応件数が同8.9%減の11.8万件に減少したことが要因だ。業界内での価格競争も一段落し、人件費が上昇するなかで平均売上単価も同2.2%上昇した。その他の売上高については、リペアネットワークの売却により、同14百万円減の516百万円となった。
(2) 会員サポートセンター事業の動向
会員サポートセンター事業の売上高は、前期比85百万円増の1,324百万円となり、このうち会員サポートは同4百万円減の939百万円となった。平均単価の高い会員サービスの契約件数減少が減収要因となった。主力提携先のサービスがグループの別会社のサービスと統合することになったため、新規獲得を終了したことが減少要因となった。期末の契約件数は、会員サービスが前期末比8.1%減の39.1万件、保証・保険付きサービスが同20.6%増の27.5万件に、小規模法人向け保険付き保守サービスが同21.3%増の382社※となった。コールセンター受託は法人DX案件の増加により同89百万円増の385百万円となった。
※ 定額保守サービス「ぱそBIZ」及び保険付き保守サービス「アフターPCケア for Business/スマートDXサポート」の契約者数。
財務体質の改善が進み、自己資本比率は30%を目指す
2. 財務状況と経営指標
2024年8月期末の財務状況は、資産合計が前期末比103百万円増加の2,100百万円となった。流動資産で売掛金が154百万円増加し、固定資産ではのれんが70百万円減少した。負債合計は同16百万円減少の1,834百万円となった。未払金及び未払費用が91百万円、契約負債が41百万円それぞれ増加した一方で、有利子負債が210百万円減少した。純資産は同120百万円増加の265百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益106百万円の計上により利益剰余金のマイナスが263百万円まで縮小した。
自己資本比率は前期末比5.3ポイント上昇の12.6%となり、有利子負債比率も大幅に低下した。同社は当面の目標として、収益拡大に取り組むことで利益剰余金のマイナスを解消し、自己資本比率で30%、有利子負債比率で200%を目安としていく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》
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