ジーデップアドバンス Research Memo(2):NVIDIAの国内No.1パートナー

2024年11月20日 12:02

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記事提供元:フィスコ

*12:02JST ジーデップアドバンス Research Memo(2):NVIDIAの国内No.1パートナー
■会社概要

1. 会社概要
ジーデップ・アドバンス<5885>は、「Advance with you 世界を前進させよう」をミッションに掲げ、主にAIを対象としたシステムインキュベーション事業を行う企業である。システムインキュベーション事業とは、主にAIやビジュアライゼーションやビッグデータを取り扱う研究者や開発者のシステム環境上の課題に対して、最先端テクノロジーを用いたサーバー機や同社オリジナルソリューションなどを提供することにより、今までとは違ったアプローチで研究や開発のスピードアップを支援するサービスである。代表取締役社長の飯野匡道氏が、2007年に米国ネバダ州で開催されたSupercomputing ConferenceでNVIDIAの製品を知り、小さなカードがパラレルコンピューティングの概念を大きく変える可能性を体感したことがNVIDIAとの取引の契機となり、その後の快進撃のドライバーとなった。現在でもNVIDIAとは良好な関係を構築しており国内No.1パートナーとなっている。従業員数は21名(2024年5月末時点)と少数精鋭である。2023年6月に東証スタンダード市場に上場した。

2. 沿革
同社の前身は、1978年に電子部品の商社として設立されたトーワ電機(株)である。当初から大学や研究機関との取引を得意としており、取り扱う商品・サービスが変わった現在でもその営業基盤は生かされている。最初の転機が訪れたのは2007年であり、前述の米国でのカンファレンスでNVIDIAと出会い、その年にNVIDIA製品の取り扱いを開始した。ゲーム用チップとして活用されてきたGPUが、ハイパフォーマンス・コンピューティング(並列処理が可能な強力なプロセッサなどを使用して、ビッグデータを高速に処理する技術)に活用され始めたタイミングであった。

次のターニングポイントは2015年で、GPU技術やディープラーニングの進化によりAIの用途開発が盛んになった時期である。同社では、独自のAIワークステーション「DeepLearning BOX」を開発・発売し、AIソリューションが確立した。それまで、流体解析やビジュアライゼーションが中心であり、大学や研究機関を主要な顧客としてきた同社だが、AI時代に入り、自動車業界や精密機械業界などの事業会社の顧客を開拓することに成功した時期である。さらに2018年以降は、大規模AI・クラウド化の時代に入り、同社のソリューションも大規模化していく。2018年には、NVIDIA DGX(主に大規模なAIの学習を行うためのアプライアンスサーバー)の取り扱いを開始し、大規模化・クラウド化のニーズにいち早く対応している。2024年2月には、モビリティ業界のAI投資を支援するために、豊田通商グループの(株)ネクスティ エレクトロニクスと「GPU Advanced Test Drive」(GAT)を開始した(後述)。

3. 事業内容
同社の事業は「システムインキュベーション事業」の単一セグメントだが「DXサービス」及び「Service & Support」の2つのサービスを提供している。

1) 「DXサービス」
主力の「DXサービス」は、「AI・ビジュアライズソリューションサービス」「その他DXソリューションサービス」「サブスクリプションサービス」の3つのサービスに分かれる。「AI・ビジュアライズソリューションサービス」のうち、AIソリューションサービスは、AIサービスを開発・運用する顧客を対象として、Deep learningを用いたAIの開発や運用に適した仕様のハードウェア、ソフトウェア、ツールを組み合わせたターンキーシステムを開発・組立・販売する。モデルとしては、「DeepLearning BOX」(同社オリジナル製品)やDGXシリーズ(NVIDIA製品)などが主力である。ビジュアライズソリューションサービスは、映像や画像を用いるコンピュータ処理を行う顧客を対象として、CADやCAE、コンピュータグラフィックスの制作やデジタルサイネージで利用するグラフィックワークステーションの組立・販売などを行う。モデルとしては、GWSシリーズ(同社オリジナル製品)や「Omniverse」(NVIDIA製品)などが主力である。「その他DXソリューションサービス」は、データを大量に保管しておくための高速大容量ストレージの組立・販売や、高速にデータを送受信するための広帯域ネットワーク機器の販売・設定、ハードウェアの利便性を高めるためのソフトウェアの販売・設定、及びそれらを組み合わせたシステムの設計や構築を行う。「サブスクリプションサービス」では、同社の開発したソリューションをレンタルやクラウドで提供する。同社のクラウドサービスの特徴は仮想化しないベアメタルクラウドであるという点であり、物理環境の性能劣化がなく、セキュリティ面でも大きなメリットがある。「DXサービス」の売上構成比は、91.9%(2024年5月期)である。

2) 「Service & Support」
「Service & Support」は、同社が提供するソリューション(ハードウェア、ソフトウェア、構築ノウハウ)に対して、ハードウェアの保守だけではなく継続的な環境のアップデートを通して、常に最新で安定したシステムとして利用するためのオプショナル運用支援サービスを提供する。「Service & Support」の売上構成比は、8.1%(2024年5月期)である。

同社のサービスをビジネスモデルで分類すると、フロービジネスとストックビジネスに分かれる。「DXサービス」の多くはフロービジネスだが、サブスクリプションサービスはストックビジネスである。「Service & Support」はストックビジネスに分類できる。現状はストックビジネスの比率が低いが、中長期的に向上させる方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《HN》

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