6日の中国本土市場概況:上海総合0.1%安で3日ぶり反落、銀行・保険に売り

2024年11月6日 17:39

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記事提供元:フィスコ

*17:39JST 6日の中国本土市場概況:上海総合0.1%安で3日ぶり反落、銀行・保険に売り
6日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比3.18ポイント(0.09%)安の3383.81ポイントと3日ぶり反落した。


米大統領選の結果が警戒される流れ。開票が始まった米大統領選では、激戦州のうち、ジョージア州やノースカロライナなどで野党・共和党候補のトランプ前大統領が勝利したと伝わった。トランプ候補は以前、「大統領選に勝利したら中国からの輸入品に一律60%超の関税をかける」と発言していただけに、米中関係の更なる悪化も懸念されている。また、米10年債利回りは急上昇し、7月上旬の高水準で推移。外国為替市場では、対米ドルの人民元安が急速に進んでいる。中国からの資金流出も懸念された。


ただ、下値は限定的。中国景況感の改善や、経済対策に対する期待感などで、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。李強・首相は5日、上海で開催された中国国際輸入博覧会の開幕式で演説し、「中国は経済成長目標を達成できる」と改めて強調し、財政・金融政策には十分な余地があるとも述べた。4日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議の決定内容については、最終日(8日)に国営メディアが詳細を報じるのが通例で、市場では、10兆人民元(約215兆円)規模の財政政策が打ち出されるとの観測が高まっている。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、銀行・保険の下げが目立つ。中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が1.5%安、中国建設銀行(601939/SH)が1.4%安、招商銀行(600036/SH)が1.3%安、中国太平洋保険(601601/SH)が3.0%安、中国人民保険集団(601319/SH)が2.5%安、中国人寿保険(601628/SH)が2.1%安で引けた。


石炭株も安い。陝西煤業(601225/SH)が4.1%、中国中煤能源(601898/SH)が1.9%、中国神華能源(601088/SH)が1.7%、広匯能源(600256/SH)が1.6%ずつ下落した。公益株、食品・酒造株、医薬株、海運株なども売られている。


半面、不動産株はしっかり。新城控股集団(601155/SH)が4.4%高、金地集団(600383/SH)が2.4%高、万業企業(600641/SH)が2.0%高、保利発展控股集団(600048/SH)が1.8%高で取引を終えた。証券株、ハイテク株、素材株、インフラ関連株も買われている。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.09ポイント(0.38%)安の282.66ポイント、深センB株指数が1.66ポイント(0.13%)安の1263.00ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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