今期予想含め14期連続経常増益:東テクの強さを覗く

2024年10月11日 09:00

印刷

 東テク(9960、東証プライム)。空調・関連機器商社の草分け、専業で首位。計装など工事部門拡大。保守工事が強みと称される。四季報業績欄の見出しには【最高益更新】の5文字が躍るが、より評価に値するのは前2024年3月期まで「13期連続経常増益達成」ではあるまいか。

【こちらも】地味だが着実に収益を積み重ねる:モリトはじっくり付き合う余地あり!?

 1955年に空調・関連機器の専門商社として、前身の東京機工が設立された。「それが草分けたる所以」と言えばその通りだが、初期段階で大手メーカーとの間で特約代理店契約を矢継ぎ早に結んでいる。

 「1960年:現ダイキン工業/64年:現アズビル/67年:日本初の空対空全熱交換機」と提携といった具合。また「85年:本格的な超高層ビルの自動制御工事に進出」といった按配に、今日の礎構築に着々と手を打ってきている。

 日本経済がコロナ禍で大きく揺さぶられた2021年3月期も踏ん張りを見せ、4円増配84配。以降も前期まで「55円増配139円配/23円増配162円配/43円増配205円配」。そして今3月期も「3.7%増収(1460億円)、6.0%営業増益(105億円)、73円配(今年4月1日付けで1:3の株式分割実施、実質増配)」計画で立ち上がり、開示済みの第1四半期は「前年同期比14.4%増収(317億2900万円)、572.8%営業増益(22億2800万円)」と、上々の滑り出しを見せている。

 至26年3月期の中計を進行中だが「売上高1550億円、経常利益120億円」を掲げ、「配当性向40%目安、ROE12%以上、PBR1倍以上」ともしている。そしてその延長線上の長期ビジョンとして、「2031年3月期の売上高2000億円、経常利益150億円」を想定している。

 空調・機器商社&計装事業展開で、東テクの好収益を支えているのは、いささか宣伝臭くなるが「電話一本で各種相談受付」「保守契約の顧客に対しては、1年365日・24時間体制の対応」「独自の顧客管理システムで対応」。

 企業の基本情報・設備機器・サポート履歴をデータベースで管理している、カスタマーセンターが入り口。情報は技術部門の各拠点・連携メーカーにおろされ、保守サービスが実施される。と同時にそうした事象が「顧客への最新技術やノウハウの提案」の材料となる。

 東テクの本稿作成時の時価は2700円台、予想税引き後配当利回り2.1%。8月の大暴落に巻き込まれたが、そこから戻り基調。年初来高値3305円(4月)を待つのも一法だが、仮に2015年初値で買い保有し続けていると修正済み株価パフォーマンスは9倍強。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連記事