10日の香港市場概況:ハンセン3.0%高で3日ぶり反発、自動車と不動産に買い

2024年10月10日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 10日の香港市場概況:ハンセン3.0%高で3日ぶり反発、自動車と不動産に買い
10日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比614.74ポイント(2.98%)高の21251.98ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が255.15ポイント(3.46%)高の7620.74ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は3253億2650万香港ドルとなっている(9日は4270億1390万香港ドル)。


中国の追加経済対策に対する期待感が相場を押し上げる流れ。財政部は週末12日午前に記者会見し、財政政策によるカウンターシクリカル調整機能の強化、質の高い経済発展の促進について現状紹介と質疑応答を行う予定だ。8日に開かれた国家発展改革委員会幹部の会見では、市場が期待していた財政政策などに踏み込んだ発表がなかっただけに、今回の会見に期待がかかっている。モルガン・スタンレーは最新リポートで、追加の財政出動は2兆人民元(約42兆円)規模になると予想した。また、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まる中、昨夜の米株市場で、主要指標のNYダウが3日ぶりに史上最高値を更新したことも好感されている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が10.4%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が9.3%高、旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)が8.5%高と上げが目立った。


セクター別では、自動車が高い。吉利汽車のほか、小鵬汽車(9868/HK)が8.0%、北京汽車(1958/HK)が5.9%、蔚来集団(9866/HK)が4.6%ずつ上昇した。


中国の不動産セクターも急伸。融創中国HD(1918/HK)が17.3%高、合景泰富地産(1813/HK)が7.1%高、龍湖集団HD(960/HK)が6.7%高、中国奥園集団(3883/HK)が6.3%高で引けた。


中国の銀行・保険セクターも買われる。中国建設銀行(939/HK)が4.9%高、招商銀行(3968/HK)が4.2%高、中国農業銀行(1288/HK)が3.9%高、新華人寿保険(1336/HK)が10.4%高、中国平安保険(2318/HK)が5.9%高で取引を終えた。


このほか、取引再開した証券ブローカーの海通証券(6837/HK)が95.5%高、国泰君安証券(2611/HK)が55.1%高と急騰。両社は9日、共同で合併計画の詳細を発表した。株式交換を通じ、国泰君安が海通を吸収合併する。現地メディアによると、今回の合併により、中信証券(6030/HK)を超える中国最大の証券会社が誕生する(中信証券株は6.0%逆行安)。


ゼネコンやエンジニアリングなどインフラ建設セクターも物色される。中国鉄建(1186/HK)が10.9%高、中国交通建設(1800/HK)が10.5%高、中国中鉄(390/HK)が9.0%高、中リョ国際工程(2068/HK)が19.0%高、中国冶金科工(1618/HK)が7.5%高と値を上げた。


本土市場も反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.32%高の3301.93ポイントで取引を終了した。石油・石炭や銀行・保険の大型株が相場をけん引。インフラ関連株、消費関連株、素材株、運輸株なども買われた。半面、証券株は総じて安い。ハイテク株、医薬株、不動産株も売られた。

香港市場はあす11日、重陽節の祝日で休場(本土市場は通常取引)。週明け14日に取引再開する。

亜州リサーチ(株)《CS》

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