27日の香港市場概況:ハンセン3.6%高で4日続伸、中国の追加緩和が刺激

2024年9月27日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 27日の香港市場概況:ハンセン3.6%高で4日続伸、中国の追加緩和が刺激
27日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比707.72ポイント(3.55%)高の20632.30ポイントと4日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が213.20ポイント(3.01%)高の7299.90ポイントと11日続伸した。ハンセン指数は昨年4月18日以来、約1年5カ月ぶりの高値水準に達している。売買代金は4457億4770万香港ドルと連日で大商い。過去最大を記録した(26日は3028億7020万香港ドル)。


中国の追加緩和が材料視される流れ。中国人民銀行(中央銀行)は27日、預金準備率を0.5%、7日物リバースレポ金利を0.2%ずつ引き下げた。人民銀の潘功勝・総裁によると、預金準備率の引き下げを通じ、金融市場に約1兆人民元(約20兆7000億円)の長期資金が供給される見込み。これまでにも、金融緩和や不動産業支援、株価テコ入れなど広範な施策を明らかにした。中国当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成のため、景気支援策を相次ぎ打ち出している。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が23.9%高、香港不動産デベロッパー大手の新世界発展(17/HK)が21.6%高、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が16.5%高と上げが目立った。取引再開した新世界発展に関しては、経営トップの交代で経営変革の期待感が高まっている。同社は20年ぶりに通期決算で赤字を計上し、鄭志剛・最高経営責任者(CEO)が退任。馬紹祥・最高執行責任者(COO)が新しいCEOに就任した。


セクター別では、中国の不動産が高い。上記した龍湖集団のほか、万科企業(2202/HK)と越秀地産(123/HK)がそろって16.4%、旭輝(884/HK)が15.4%ずつ上昇した。政策支援の動きが引き続き刺激。中国共産党が26日に開催した中央政治局会議では、習近平・国家主席が十分な財政支出を政府に求め、不動産市場を安定化させる必要性に言及している。


消費関連株の物色も続く。スポーツ用品の滔搏国際HD(6110/HK)が22.5%高、乳製品の中国蒙牛乳業(2319/HK)が14.9%高、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が13.8%高、外食の九毛九国際HD(9922/HK)が13.7%高、家電のTCL電子HD(1070/HK)が12.0%高、酒造の青島ビール(168/HK)が8.8%高と値を上げた。中国当局の支援策が期待される。上海市政府は25日、総額5億人民元の消費券を配布する方針を明らかにした。他の地方政府も同様の支援策を打ち出すとの観測が広がっている。蒙牛乳業については、中国農業農村部などが共同で、牛肉や牛乳の消費促進に向け、各種の支援策を打ち出したことも好感された。


半面、中国の銀行セクターは反落。中国農業銀行(1288/HK)が6.0%安、中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が3.0%安、中国工商銀行(1398/HK)が2.5%安、交通銀行(3328/HK)が2.4%安と値を下げた。急速な金融緩和を受け、銀行の収益見通しに不透明感が漂っている。


一方、本土市場は8日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比2.88%高の3087.53ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。消費関連株、ハイテク株、医薬株、素材株、インフラ関連株なども買われた。半面、銀行株は安い。エネルギー株、通信株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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