人手不足対策も、電話対応の時間ロス防ぐシステム提供のアイブリーとはこんな会社

2024年9月14日 10:27

印刷

 キッカケは、某国内証券の株式公開予備軍の開拓を手掛ける部署への問い合わせだった。「興味深い事業を展開するスタートアップ企業で、上場の可能性が高いとジャッジしウオッチしている企業ないかな」と言うと、知り合いの担当者は幾つかの企業を指折り数えた。

【こちらも】賃貸物件の管理・仲介でDX化の先頭を走る:アンビションDXの現状

 そんな中の1社として知ったのが、IVRy(以下、アイブリー)。HPを覗いた。事業内容は「クラウド型電話自動応答(IVR)の運営」とあった。具体的な内容を書きなぞっていくと、それだけで1000字近くに及んでしまう。取材を申し込んでみた。片岡信也COOがWeb取材に応じてくれた。1時間近くの遣り取りをした。

 Q: 一口で言うと、どんなビジネスか。

 A: 人材不足に対応するビジネス。電話の受け答えにとりわけ中小企業などは、それでなくても少ないスタッフの手が奪われてしまう。事業関連以外の電話が多い。負を強いられてしまう。例えば「お宅に行く道順は」とか「忘れ物は無かったか」と言った類の電話にはAIを活用し、自動音声で対応するシステムを執っている。

 Q: 内容を噛み砕いて欲しい。

 A: 2980円から利用でき、スタンダードコース(月額4980円~)では電話を自動化する機能(電話分岐ルール設定/テキスト読み上げの音声案内/SMS送信/音声録音/過去6カ月までの電話履歴閲覧)をベースに、「電話転送(電話番号・プラウザ・アプリ)、電話発信(プラウザ・アプリ)、ホワイトリスト・ブラックリスト(事業に直結する電話/負の電話)を識別する機能」の提供・・・。

 Q: 上場は意識しているか。

 A: 我々は時価総額1兆円の企業を目指しているため、意識としてはあるが上場をゴールとは捉えていない。新規機能の開発を担うエンジニアは創業時の1人から20名に増えているが、更に充実したい。そのためには新たな資金調達が不可欠だ。また負の電話⇔人材不足にまだまだ悩んでいる企業に対し、当社の存在を広く公知する上でも大事なステージになる。

 アイブリーは、そもそもは創業者CEOの奥西亮賀氏の原体験が礎になっている。負の電話に付き合っているのはもったいない・・・と思い、極力電話との距離を置いていた。が見送った電話の中に「融資を申し込んでいた銀行からの電話があった」。その時にかいた冷汗が、現業の立ち上げ・開発・展開に背中を押した。

 個人的には仕事柄「受電したらメールへ通知する設定ができる。どこからいつ電話があったか確認することが可能」などという機能に興味を覚える。

 株式投資を行う上で、アイブリーの様な存在/予備軍に事前に通じておくことは大事と考える・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事