エヌビディアの決算をどう見るか⁉

2024年8月31日 10:22

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●エヌビディアが売上・純利益ともに過去最高

 米半導体大手のエヌビディアが28日に発表した2024年5-7月期の決算は、売上高が前年同期比2.2倍の300億4000万ドル(約4.3兆円)、純利益も同2.7倍の165億9900万ドル(2兆4000億円)で、いずれも四半期ベースでは過去最高となった。

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 エヌビディアの株価は時間外取引で一時8%下落し、その他の大型株も下落した。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを示唆し、米国景気の減速が懸念される中、エヌビディアが過去最高の決算を記録しながらも株が売られる背景とは何だろうか?

●予想を下回っていた

 6月に発表された第1四半期の決算は好調で、データセンター部門の売上増が顕著だった。エヌビディアが発表した新製品「H100」の需要の伸びに期待が高まっていた。

 市場の関心は直近の決算よりも、その先の来年再来年を見据えている。

 直近の決算が良くとも、売上高や粗利益が予想を下回ったことで、これまで米国景気を支えていた半導体需要の鈍化が意識され、さらに景気減速も意識されるという展開になった。

 エヌビディアの決算直後の日経平均は半導体中心に売りが広がり、一時38000円を割り込む場面もあった。

●まだまだ悲観的になる必要はない?

 エヌビディアの決算が一部予想を下回っていたとはいえ、悲観的な内容であったかと言うとそうではない。半導体需要がまだまだ旺盛なことは疑いの余地がない。

 決算が発表された翌日の米国株式市場は、エヌビディア株の下落があったが、第2四半期のGDPの伸び率が上方修正されたことで上昇し、NYダウは過去最高を記録した。

 500億ドルの自社株買いも発表するなど、プラスの要素もあったはずである。

 ただ、半導体関連、エヌビディア自体も材料出尽くし感があり、利益確定売りのタイミングを市場が窺っているだけという見方もできる。

 GAFAあたりからさらなる材料でも出れば、再び状況は変わるかもしれないが、今はそこまでリスクオンとはなれないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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