16日の香港株式概況:ハンセン1.9%高で3日ぶり反発、京東集団8.9%上昇

2024年8月16日 18:27

印刷

記事提供元:フィスコ

*18:27JST 16日の香港株式概況:ハンセン1.9%高で3日ぶり反発、京東集団8.9%上昇
16日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比321.02ポイント(1.88%)高の17430.16ポイントと3日ぶりに反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が126.63ポイント(2.10%)高の6161.90ポイントと続伸した。売買代金は1014億510万香港ドルに拡大している(15日は879億3470万香港ドル)。

内外の好材料で投資家心理が上向く流れ。昨夜の米株市場では、米経済をけん引する個人消費の活況を手がかりに、主要株価指数がそろって大幅続伸した。中国では、経済対策の期待感が強まっている。中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・総裁は15日、下半期の経済成長を支えるため、新たな政策を準備しているなどと述べた。一方、香港では上場企業の決算報告が本格化。業績動向を材料にした売買も目立っている。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、好決算銘柄が上昇率上位に並んでいる。電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が8.9%高、オンライン医療の京東健康(JDヘルス:6618/HK)が8.2%高と値を上げた。京東集団が前日引け後に報告した4~6月期決算では、調整後純利益が69%増に拡大し、市場予想も上回っている。京東健康の決算も30%増益と堅調だった。そのほか、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)は引けにかけて上げ幅を拡大し、4.8%高で取引を終了。同社の4~6月期決算は調整後純利益が9%減とさえなかったものの、アナリストの評価は高かった。また、9月上旬にもストックコネクト(中国本土・香港間の株式相互取引)対象銘柄に組み入れられる見通しと伝わる中、本土マネーの流入も期待されている。

決算内容を材料にした他の個別株動向では、宅配サービスの京東物流(JDロジスティクス:2618/HK)が22.0%高。同社の中間業績は黒字に転換している。また、四半期ごとに行うハンセン指数構成銘柄の定期見直し結果が本日引け後公表され、同社株が候補に挙がった点も意識された。

医薬セクターも高い。翰森製薬集団(3692/HK)が3.9%、石薬集団(1093/HK)が3.6%、中国生物製薬(1177/HK)が3.1%、中国神威薬業集団(2877/HK)が2.5%ずつ上昇した。世界保健機関(WHO)が14日、コンゴから近隣諸国にエムポックス(サル痘)の感染が拡大しているとして、「緊急事態」を宣言したことが改めて材料視されている。サル痘による緊急事態の宣言は約1年3カ月ぶりだ。

半面、長江系の銘柄はさえない。香港財閥系コングロマリットの長江和記実業(1/HK)が3.7%安、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(1113/HK)が2.5%安、インフラ投資会社の長江基建集団(1038/HK)が1.3%安と値を下げた。業績不振を嫌気。長江和記実業と長江実業集団が前日公表した中間決算はそろって減益だった。長江インフラが14日発表した決算は2%増益にとどまっている。

一方、本土市場は小幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.1%高の2879.43ポイントで取引を終了した。銀行株が上げ主導。資源株連株、医薬株、通信株、海運株、保険株なども買われた。半面、不動産株は安い。公益株、インフラ関連株、消費関連株の一角も売られた。


亜州リサーチ(株)《NH》

関連記事