29日の中国本土市場概況:上海総合0.03%高で小幅続伸、銀行・保険が相場支え

2024年7月29日 16:51

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記事提供元:フィスコ

*16:51JST 29日の中国本土市場概況:上海総合0.03%高で小幅続伸、銀行・保険が相場支え
週明け29日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前営業日比0.95ポイント(0.03%)高の2891.85ポイントと小幅ながら続伸した。


企業業績の改善が相場を支える流れ。27日に公表された6月の工業企業利益は前年同月比で3.6%増加し、伸びは5月の0.7%から大幅に加速している。足元では内需不振を示す経済指標の発表が目立っていただけに、景気懸念がひとまず薄らぐ状況だ。また、中国当局は景気浮揚に向け、経済対策を強めていることも好感されている。ただ、上値は限定的。人民元安の進行が懸念されていることや、米中関係の悪化が重しだ。米政権は先端半導体の対中輸出規制を強化しているほか、8月から中国製の電気自動車(EV)や鉄鋼・アルミ製品の制裁関税を引き上げる予定。中国側は対抗措置を示唆している。指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)


銀行・保険株が上げを主導。中国銀行(601988/SH)と上海浦東発展銀行(600000/SH)がそろって2.4%高、中国農業銀行(601288/SH)が1.7%高、中国人民保険集団(601319/SH)が2.2%高、中国人寿保険(601628/SH)が2.1%高で引けた。


軍事関連株も物色される。航空宇宙製品の江西洪都航空工業(600316/SH)がストップ(10.0%)高、軍用電子機器の中国海防(600764/SH)が5.0%高、衛星・ロケット用システムの航天時代電子(600879/SH)が2.7%高、航空機メーカーの中航直昇機(600038/SH)が2.2%高、衛星開発・運用の中国衛星(600118/SH)が1.9%高で取引を終えた。海運株、公益株、エネルギー株、メディア関連株なども買われている。


半面、不動産株はさえない。保利発展控股集団(600048/SH)が3.7%、新城控股集団(601155/SH)が1.9%、金地集団(600383/SH)が1.7%、万業企業(600641/SH)が1.3%、中華企業(600675/SH)が1.2%ずつ下落した。消費関連株、医薬株、素材株、太陽光発電株、半導体株も売られている。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.54ポイント(0.23%)安の232.30ポイント、深センB株指数が5.55ポイント(0.50%)安の1112.79ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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