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相場展望7月25日号 米国株: 米国株を牽引してきた半導体関連株が下げ止まらない 日本株:買い手不在のなか、「狼狽売り」が勃発か
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)7/22、NYダウ+127ドル高、40,415ドル
2)7/23、NYダウ▲57ドル安、40,358ドル
3)7/24、NYダウ▲504ドル安、39,853ドル
【こちらも】相場展望7月22日号 米国株: 主要株価指数は、半導体関連株価の大幅下落が波及し反落 日本株: 米SOXと共に下落、買い手不在のため「落ちる剣は握らない」
●2.米国株 : 米国株を牽引してきた半導体関連株が下げ止まらない
1)7/24、米国主要株価指数
下落幅 下落率
・NYダウ ▲504ドル安 ▲1.25%
S&P500種 ▲128安 ▲2.31%
ナスダック総合 ▲654安 ▲3.64%
ナスダック100 ▲721安 ▲3.65%
半導体株(SOX) ▲292安 ▲5.41%
日経平均 ▲439円安 ▲1.11%
・半導体株(SOX)が米国株の下落の牽引役となっているが、下げ止まらない。
2)米国主要株価指数の最高値からの下落状況
・主要株価指数の推移
最高値 7/24株価 下落幅 下落率
NYダウ 7/17 41,198 39,853 ▲1,345安 ▲ 3.2%安
S&P500種 7/16 5,667 5,427 ▲240安 ▲ 4.2%安
ナスダック総合 7/10 18,647 17,342 ▲1,305安 ▲ 7.0%安
半導体株(SOX) 7/10 5,904 5,105 ▲799安 ▲13.5%安
日経平均 7/11 42,224 39,154 ▲3,070安 ▲ 7.2%安
・半導体株(SOX)の下げ幅は、調整入りと評価される▲10%を上回っている。SOXの下落が、ナスダックや日経平均の下げに影響を及ぼしている。SOXの下げ止まりを確認できるまで、米国株は安定しないだろう。
●3.原油先物6週間ぶりの安値、WTIは76ドル台、ガザ停戦期待や中国需要懸念で(ロイター)
●4.テスラ、4~6月期は前年同期比▲45%減益、減益は2四半期連続、欧米中振るわず(日経新聞)
1)第2四半期の利益率は、値下げなどが重しとなって5年ぶり低水準(ロイター)
●5.米ビザ、4~6月期は収入が4年ぶりに市場予想を下回る(ロイター)
1)金利上昇により個人消費が抑制された。
●6.バフェット氏、年初来の株価+27.4%上昇のバンク・オブ・アメリカを売却(Quick)
1)売却は3日連続で、売却株数は3,390万株(約2,350億円)。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)7/22、上海総合▲18安、2,964
2)7/23、上海総合▲48安、2,915
3)7/24、上海総合▲13安、2,901
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)7/22、日経平均▲464円安、39,599円
2)7/23、日経平均▲4円安、39,594円
3)7/24、日経平均▲439円安、39,154円
●2.日本株:買い手不在のなか、「狼狽売り」が勃発か
1)7/23、日経平均は一時+300円超上昇も終値は▲4円安、利益確定売りで5日続落
・今回の下落相場を象徴する株価の値動きであった。
・日本株は「弱い」状況にある。
2)空売り比率増加は、海外短期筋の売り転換し、高水準へ
・空売り比率の推移 相場状況 日経平均の推移
7/11 36.8 先物特別清算日の前日で、日経平均引上げ最終日 + 392円高
7/12 39.5 特別清算は朝一番で決定、海外短期筋売り転換開始▲1,033円安
7/16 39.1 前日の大幅下げで小幅な自律反発 + 84円高
7/17 41.3 朝方は買い先行も、東エレクなど半導体売りで下落▲ 177円安
7/18 38.5 売り優勢 ▲ 971円安
7/19 40.6 売り優勢も、半導体株に買いが入り、下げ縮小 ▲ 62円安
7/22 44.1 半導体株に売り ▲ 464円安
7/23 44.1 値ごろ感で買いが入ったが、戻り待ちの売りで下落▲ 4円安
7/24 45.3 急激な円高、海外短期筋の売り継続 ▲ 439円安
3)円相場が153円台後半まで円高へと急伸
・円相場の推移
7/03 161円89銭
7/11 161円73銭 株価先物の特別清算(SQ)の前日
7/12 159円02銭 SQ通過後から円高が進行
7/17 158円06銭
7/24 154円42銭
7/25 153円68銭(米国為替市場)
・海外短期筋は日経平均を高騰させるために、
(1)日経平均の先物買い
(2)円売りで、日経平均が上昇する買いを誘発
の2策を強引にしかも短期間で仕掛けてきたと思われる。
・そして、SQ通過後から、スタンスを反転し
(1)利益確定のための「先物売り」と
(2)円売り解消のための「円買い」
を強引に進めてきたと思われる。
4)日経平均はわずか8営業日で▲3,070円(▲7.27%)の下落
・日経平均の推移
7/11 42,224円
7/24 39,154円
差引 ▲3,070円下落
5)買い手不在のなか、損失覚悟の買い解消の売りによる「狼狽売り」が勃発か?
・日本株の大幅下落による自律反発狙いの買いが入ったが、それらはことごとく数日で大幅な含み損を抱えてしまった。
・そのため、狼狽えた損失覚悟の「売り」が想定される。
・今、日本株は「底が見えなくなっている」。「落ちている最中のナイフは、まだ床に届いていない」ようだ。
・今日7/25も、円相場は153円台に「円高」。円高のため、日本株は「売り優勢」の地合いを想定。
・あと▲1,000円ほどの下げで、今回の上昇幅約4,000円を消失する。本日7/25にも実現する可能性がある。
●3.三菱電機、米海軍の艦艇向けにレーダー部品納入へ(NHK)
●4.トヨタが自己株をTOB、約8,086億円、三菱UFJ・三井住友FGなどが応募(ロイター)
●5.日本製鉄、中国鉄鋼大手・宝山鋼鉄との合弁解消(熊本日日新聞)
1)成長が見込めないと判断したと見られる
●6.厚生労働省、最低賃金+50円引上げて全国平均の時給1,054円で決着(NHK)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・株式市場が総崩れの様相を示しているため、休載。
著者プロフィール
中島義之(なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou
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