24日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で続落、消費関連の下げ目立つ

2024年7月24日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 24日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で続落、消費関連の下げ目立つ
24日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比158.31ポイント(0.91%)安の17311.05ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が52.37ポイント(0.85%)安の6142.32ポイントと続落した。ハンセン指数は4月25日以来、約3カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は868億9900万香港ドルと低水準が続いた(23日は858億2600万香港ドル)。


前日の軟調地合いを継ぐ流れ。米中関係の悪化や中国の内需不振、人民元安の進行など懸念材料が広がっている。また、来週は中央政治局会議が開催されるほか、7月31日に7月の中国PMI(国家統計局などが集計)が公表される予定。買い手控え要因として意識された。本土株がマイナスに転じる中、香港の各指数も下げ幅をやや広げている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)が7.1%安、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が6.3%安、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が6.6%安と下げが目立った。農夫山泉に関しては、ジェフリーズが最新リポートで、同社の中間増収率は1ケタ台にとどまると予測したことも嫌気されている。周大福については、4~6月期の売上高が前年同期比で20%減少し、6四半期ぶりのマイナス成長に陥ったことも不安視された。


セクター別では、新興EV(電気自動車)が安い。小鵬汽車(9868/HK)が5.0%、蔚来集団(9866/HK)が4.4%、理想汽車(2015/HK)が4.1%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.3%ずつ下落した。販売不振が売り材料視されている。業界団体が報告した7月第3週(15~21日)の1日当たり乗用車小売台数は、前年同期比で1%減少。マイナス成長が続いた。


酒造やレストランチェーンの飲食関連もさえない。上記した華潤ビールのほか、百威亜太HD(1876/HK)が5.1%安、青島ビール(168/HK)が4.6%安、九毛九国際HD(9922/HK)が3.1%安、周黒鴨国際HD(1458/HK)が2.9%安で引けた。


半面、中国の銀行セクターはしっかり。中国農業銀行(1288/HK)が2.0%高、中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が1.7%高、交通銀行(3328/HK)が1.4%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.2%高とそろって続伸した。「第3四半期(7~9月)にも預金準備率が引き下げられる」とのアナリスト予想が引き続き材料視されている。貸出余力が増えると期待された。


有料道路など交通インフラ関連も高い。安徽皖通高速公路(995/HK)が5.4%、四川成渝高速公路(107/HK)が3.5%、江蘇寧滬高速公路(177/HK)が3.0%、深セン高速公路集団(548/HK)が2.7%ずつ上昇した。有料道路運営会社は負債比率が大きいだけに、金利低下のメリットが意識されている。


一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.46%安の2901.95ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。不動産株、ハイテク株、医薬株、素材株、空運株なども売られた。半面、発電株は高い。銀行株、エネルギー株、軍事関連株も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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