【どう見るこの株】クラダシは優待権利落とすが冷凍弁当宅配事業取得を見直し業績期待が再燃して急反発

2024年7月4日 08:17

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 クラダシ<5884>(東証グロース)は、前日3日に13円高324円と3日ぶりに急反発して引け、東証グロース市場の値上り率ランキングの第33位にランクインした。同社株は、今年6月7日に株主優待制度の導入を発表し、優待利回りが高いとしてストップ高を交えて窓を開けて年初来高値389円まで急伸し、6月末の優待権利落ちで窓埋めの下値調整を続けてきたが、続いて6月27日には冷凍弁当の宅配事業を展開しているクロスエッジ(東京都品川区)の株式を取得して子会社化すると発表しており、今2025年6月期業績への寄与期待を見直し下げ過ぎ修正買いが再燃した。テクニカル的にも、足元の株価急伸で25日移動平均線が、75日移動平均線を下から上に抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、フォローの材料視されている。

■子会社化したクロスエッジの売り上げはクラダシ本体の23%

 同社が目下集計作業を続けている前2024年6月期業績は、今年5月9日に下方修正され売り上げ29億2100万円(前々期比0.7%増)、営業利益2400万円(前々期は1億6400万円の赤字)、経常利益2600万円(同1億7100万円の赤字)、純利益1600万円(同1億6700万円の赤字)と見込み、期初予想より黒字転換幅を縮小させる。同社は、ソーシャルグッドマーケット「kuradashi」を通じ賞味期限の切迫した食料品などをマッチングさせ低価格でインターネット販売(ECる)するフードロス削減事業を展開しているが、食品業界では値上げが相次ぎ値上げ前の在庫調整が進んでおり、同社に商品を納入するパートナー企業からの供給量が想定を下回ったことが要因となった。ただ「kuradashi」の会員数は50万人を突破し、パートナー企業も1428社に拡大しており、魅力的な商品ラインアップが拡充していることは継続している。

 一方、総額5億1700万円で株式を取得したクロスエッジは、冷凍弁当の宅配サービス「Dr.つるかめキッチン」を事業の一部としており、会社分割したうえで同宅配サービス事業のみをグループ化する。同事業は、年間売り上げが7億円とクラダシの年間売り上げの約23%となって今2025年1月期の第1四半期から業績寄与する見込みであり、さらにクラダシのフードロス削減事業のブランディングとECノウハウを活用して拡大可能で非連続の成長戦略となる。

■GC示現で上昇トレンド転換し年初来高値抜けから公開価格奪回を目指す

 株価は、2023年6月に公開価格520円で新規株式公開(IPO)され、800円で初値をつけ上場来高値879円まで買い進まれたが、その後は右肩下がりの調整が続き、今年5月の業績下方修正では上場来安値220円まで売られた。同安値からは、新規導入した株主優待制度の利回りが9.09%になるとしてストップ高を交えて年初来高値389円まで急伸し、同優待権利落ちで325円と下ぶれたが、クロスエッジ株式取得とともに戻りを試す展開を強めた。この間、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換も示唆しており、年初来高値抜けから公開価格520円奪回が先行きの有力目標となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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