三栄コーポ Research Memo(7):中期経営計画では2026年3月期に経常利益20億円を目指す

2024年7月2日 16:17

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記事提供元:フィスコ

*16:17JST 三栄コーポ Research Memo(7):中期経営計画では2026年3月期に経常利益20億円を目指す
■成長戦略

1. 中期経営戦略「SANYEI 2025」の進捗が順調
三栄コーポレーション<8119>は、中期経営戦略「SANYEI 2025」(2024年3月期〜2026年3月期)を推進中である。最終年度の定量目標は、売上高で500億円、経常利益で20億円であり、初年度はその目標に向けて順調に増益を果たす結果となった。“守り”の重点施策である「事業ポートフォリオの見直し(低採算事業の整理促進)」に関しては、2023年4月のゼリックコーポレーションの本社への吸収合併や、2024年2月のエッセンコーポレーションの解散・事業承継など成果が出ている。進行期は「BIRKENSTOCK」専門店の契約終了に伴うセレクトショップ事業が課題となる。“攻め”の重点施策では、「海外売上高の拡充」は欧州・中国の景気低迷の影響もあり伸び悩んだものの、「EC事業の拡大」と「サステナブルビジネスの推進」に関しては、いずれも商品ラインナップが充実し、成長に向けたマーケティングの基盤が整備されてきており、進捗が順調である。

2. フットウェアのセレクトショップ事業の課題
子会社ベネクシーの業績改善は重要な課題である。2024年9月までに「BIRKENSTOCK」専門店からセレクトショップである「BENEXY」「Quorinest」「OrthoFeet」に変更する予定であり、現在はその最終段階にある。2024年3月の段階では、小売店舗24店舗中、「BIRKENSTOCK」専門店は2店舗のみであり、その他の22店舗は他業態である(「BENEXY」4店舗、「Quorinest」18店舗)。業態変更後のセレクトショップの魅力を作るために、自社ブランドの開発や複数ブランドの調達を継続的に行っている。

期待のブランドとして、足の健康を科学した米国発のフットウェアブランド「OrthoFeet」がある。2023年12月に子会社ベネクシーは、米Orthofeetと日本国内独占輸入販売契約を締結し販売を開始した。主力商品は、最先端の技術と解剖学的インソールを採用したスニーカーである。立ったまま屈まずに履けるハンズフリー機能と独自開発のインソールやフィッティングをカスタマイズできるパーツの同梱など足病学に基づく設計により、履く時も履いた後もストレスフリーな感触が得られる。高度な足の生体力学に配慮されているため、本国米国では、足の繊細な悩みを抱える層や医師や立ち仕事に携わる層から高い支持を得ている。日本においても、主力商品のKITA/YARIが「FOOT HEALTH AWARDS 2024」の美容/健康部門で最優秀賞を受賞した。販売チャネルとしては、セレクトショップの「BENEXY」及び一部の「Quorinest」、そして「BENEXY ONLINE SHOP」からスタートし、現在は「OrthoFeet」専門のポップアップストアを全国で展開している。

3. 成長ドライバー:EC事業の拡大
中期経営計画の成長ドライバーの1つとして「EC事業の拡大」がある。2024年3月期のEC事業売上高は5,250百万円である。コロナ禍の巣ごもり需要を取り込みインテリアショップ「MINT」がけん引した。巣ごもり需要の一段落により、売上の伸びが鈍化したこともあり、さらなる拡大策を順次展開している。2025年3月期は、エクステリア等への商品の拡大を行い、今後は観葉植物などの取り扱いも開始する計画だ。また一定規模のEC向けインフラを運営しているため、写真撮影、商品ページ作成、受発注処理、決済など様々なフルフィルメント機能の業務受託も開始しており、新たなビジネスモデルとして注目される。また、ECが28ブランド34のショップで行われてことを生かし、様々なリソースやノウハウを共通化・統合化する取り組み(面展開)も強化していく。2025年3月期のEC売上高は前期比14.3%増の6,000百万円を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《HN》

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