NYの視点:インドの水不足問題

2024年6月28日 07:42

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記事提供元:フィスコ

*07:42JST NYの視点:インドの水不足問題
米格付け会社ムーディーズは6月25日、インドでは急速な経済成長と頻発する自然災害で水不足が深刻化しており、格付けに悪影響を及ぼす可能性があると警告した。報告によると、インドでは毎年夏に水不足が発生しており、これまでに何度も問題となっていたようだが、今年は熱波が長引き、デリーやハイテク産業が集中しているベンガルールなどで水不足が続いているようだ。ムーディーズは、水不足は「ソブリン格付けや水を大量消費するセクターの信用に悪影響を及ぼす」、「水資源の供給減少は農業生産や産業活動に支障をきたし、食料価格の高騰や収入減で社会不安を引き起こす可能性がある」と指摘している。モディ首相は以前からこの問題を意識しており、早急に取り組むべき課題であると言えるが、一部の識者は「長期的には、水の管理分野への投資拡大が潜在的な水不足のリスク軽減に寄与する」と指摘しており、中長期的な観点で水不足の解消に取り組むべきであろう。

※ムーディーズによるインドの債務格付けはBaa3、格付け見通しは安定的。《CS》

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