NYの視点:米財務省は監視リストに日本を加えたが・・・

2024年6月26日 07:41

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記事提供元:フィスコ

*07:41JST NYの視点:米財務省は監視リストに日本を加えたが・・・
報道によると、米財務省は6月20日に公表した外国為替報告書で、為替操作をしていないか注視する「監視リスト」に日本を加えた。「為替操作国」に認定した貿易相手国・地域はなかった。監視対象には中国、ベトナム、台湾、マレーシア、シンガポール、ドイツが指定されている。関係筋によると、この件に関わっている米財務省当局者は、監視リストに日本が加えられたことについて、「日本銀行が円安進行に歯止めをかけるために実施した為替介入は監視リストに加える要因になっていない」と述べた。2023年の日本の対米貿易黒字が624億ドルと高水準だったことと、経常黒字の国内総生産(GDP)比率が3.5%だったことを理由に挙げた。

ただ米財務省は、日本は2024年4月と5月に円買い・ドル売り介入を実施したと指摘。日本の外為取引には透明性があると指摘したが「自由に取引される大規模な外為市場において、介入は適切な事前協議のもと、極めて例外的な場合にのみ行われなくてはならない」との見方を改めて伝えている。

なお、中国については、多額の対米貿易黒字が存続していることに加えて為替政策についての透明性が欠如している点を考慮し、監視リストから除外しなかった。米財務省は「中国の対応は主要経済国の中では例外的であり、厳重な監視が必要になっている」と批判している。なお、米財務省当局者は、「中国国家外為管理局(SAFE)が発表した経常収支に関するデータが通関記録と一致していない」と指摘しており、中国政府が公表している統計の正確性にも懸念を表明している。《CS》

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