収益・株価と同時に、リンクアンドモチベーションの創業者会長の思考にスッキリした何故

2024年6月25日 09:40

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 リンクアンドモチベーション(東証プライム)。組織・人事・IRなど中堅中小企業向けコンサルタントが、主たる義務。並行して資格取得教室や外国語指導講師の派遣なども展開している。「中堅クラスの企業向け事業は宝の山」といった指摘もなされるが、リンクアンドモチベーションの収益動向を確認すると頷かされる。

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 2020年12月期は「82%近い営業減益」と急降下したが、その後は「140.2%」「75.6%」「27.4%」の営業増益。配当も「0.2円」「0.3円」「3.6円」と積み重ねられ、前期末で11.30円配。今12月期計画も「15.3%の営業増益(53億3000万円)、0.3円増配11.60円配」。

 興味は、創業者に向く。小笹芳央氏。現代表取締役会長。2000年に現業を立ち上げているが、学卒後の職歴を追うと「リクルート/組織人事コンサルティング室長」「(リクルート内の人と組織の研究機関)ワークス研究所主幹研究員」といった具合。研鑽を積み重ねた上の起業といえる。

 戦略経営者という情報誌に掲載された小笹氏の発言に触れた。世の中に媚びないというか、惹かれる持論を展開していた。5年も前の記事である。是非、読者にも伝えたいと思いエキスを記しておく。

 ◆働き方改革を説く時流について: いくら休日を増やし残業を削減したとしても、単に余暇時間が増えるだけなら「ゆとり教育」ならぬ「ゆとり労働」で終わってしまう。よく女性の管理職比率が話題にあがるが、これもナンセンス。女性の比率を高めた方が良いと思えない業種・業務がたくさんある。

 勿論、性別を理由に門戸を閉ざすべきではないがそれを数値目標に落とし込むことに意味を感じない。当社の例をみてもマネジメントラインに乗ることを希望せず、専門職を望む女性社員が多いというのが事実。

 世間で取り沙汰されているような外形的な物差しを真に受けると、逆に男性への逆差別になってしまう危険性が出てくる。

 うちの女性管理職比率は20%程度。数字が小さいとは思っていない。形だけ女性管理職比率を引き上げて、果たして生産性が上がるのか。当社は約半数が女性社員であり、女性と会社のエンゲージメントは高い状態にあるので“女性活躍”を実践できていると自負している。ここが本質部分で、数値は表層に過ぎない。

 妙にスッキリする気持ちになった。過日『日本のジェンダーギャップ、7つ順位を上げ118位に、女性閣僚増加などで』と題する記事に触れた時とは、真逆の心地良さを覚えた。

 そんなトップが率いるリンクアンドモチベーションの本稿作成中の時価は450円台前半、予想税引き後配当利回り2%強。過去10年間の調整済み株価パフォーマンスは、2.9倍。中長期構えが賢明とみるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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