ミツバチの力が頭皮を救う? 育毛市場が新たに活性化

2024年5月1日 16:06

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記事提供元:エコノミックニュース

加齢や遺伝、ストレスやホルモンバランスの乱れ、紫外線や乾燥による頭皮環境の悪化など、さまざまな要因によって生じる「薄毛」の悩み

加齢や遺伝、ストレスやホルモンバランスの乱れ、紫外線や乾燥による頭皮環境の悪化など、さまざまな要因によって生じる「薄毛」の悩み[写真拡大]

 加齢や遺伝、ストレスやホルモンバランスの乱れ、紫外線や乾燥による頭皮環境の悪化など、さまざまな要因によって生じる「薄毛」の悩み。株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミーが実施した「薄毛に関する意識調査2022」によると、現在の薄毛が気になると回答している人は、男性では30代で57%、女性では50代で56.8%と、「とても気になる」のスコアが最大になっている。また、「薄毛についてとても悩んでいる」「薄毛であることにとても抵抗感がある」と回答している人は、男性で約59%、女性で約81%となっており、薄毛であることの深刻度は男性よりも女性の方が高いことが分かった。

 また、アデランスが2019年に実施した調査によると、同年の薄毛対策市場は約6000億円だったが、将来市場規模では1兆2000億円強と約2倍に膨れ上がると推定されている。

 日本では現在、抜け毛や薄毛の症状を改善するAGA治療薬として、ミノキシジル外用薬、フィナステリド、デュタステリドの3つが承認を受けており、それぞれの先発医薬品としては、「リアップ(ミノキシジル外用薬)」「プロペシア(フィナステリド)」「ザガーロ(デュタステリド)」があるが、肝機能障害、頭皮トラブル、さらに多毛症になるケースなどのが副作用として報告されていることもあり、服用を躊躇する人も多いようだ。また、AGA治療薬は医師の処方が必要なため、薄毛でクリニックに通ったり相談に行ったりすることに抵抗感を感じる人も少なくない。大げさにならず、手軽に使用できる市販の育毛剤や増毛剤などで改善できるのなら、その方が嬉しいのは当然だ。

 そんな薄毛の悩みを持つ人に朗報がある。蜂蜜をはじめとするミツバチ産品の健康食品や、それらを活用した自然由来の化粧品などの製造販売で知られる株式会社山田養蜂場の自社研究機関である山田養蜂場 健康科学研究所及び山田養蜂場グループ 美容科学研究所が、ローヤルゼリー(Royal Jelly,以下 RJ)を配合した薬用育毛剤を 24 週間継続使用することで、使用前よりも毛髪本数が増え、成長期毛率、頭皮角層水分量がいずれも改善することをヒト試験で確認したのだ。また、細胞試験において、そのメカニズムの一端も明らかになっているという。

 同社の研究によると、RJ とグリチルリチン酸ジカリウム、タマサキツヅラフジアルカロイドを配合した薬用育毛剤を 1 日 2 回、24 週間塗布することで、「毛髪本数」「頭皮角層水分量」が 12 週間後と 24 週間後に増加。さらに「成長期毛率」が 24週間後に増加した。また、主観的な毛髪や頭皮状態の評価についても、「髪のボリューム」「地肌の目立ち」「抜け毛」「発毛」などを含む10 項目すべてにおいて改善がみられたという。さらに、ヒト毛乳頭細胞に RJ を添加した結果、髪の成長に関わる因子である FGF-7と IGF-1の遺伝子発現量の増加が確認されている。本研究成果は、2024 年 3 月発行の科学雑誌 「日本化粧品技術者会誌」に掲載された。

 RJは. ミツバチが集めた花粉などからつくり出す天然物質で、40種類以上もの栄養素を含んでいるといわれている。摂取することで、アンチエイジング効果や美肌効果、免疫力向上、更年期の不調や生活習慣病の改善効果など、様々な健康。美容に関する増進効果がこれまでにも報告されており、それぞれの分野で話題を呼んできた。今回、育毛効果も確認されたことで、育毛剤市場にも新たなRJブームが巻き起こるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

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