気温低下で冬物好調 百貨店とSCの11月売上、21カ月連続で前年上回る

2023年12月29日 09:40

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 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が11月度の売上高を発表。引き続きインバウンド需要が好調だったことに加えて、11月後半の気温低下により冬物商材が動いたことで、好調な売上が続いていることが分かった。

【前月は】百貨店とSCの10月売上、好調続く 百貨店はインバウンドが最高更新

■百貨店はインバウンド需要が2カ月連続で最高額更新

 25日、日本百貨店協会が11月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)7.4%増の5,023億4,629万8,000円となり、21カ月続で前年同月を上回った。インバウンド需要は394億円となり、10月(383億円)に続いて2カ月連続で過去最高額を更新している。

 11月中旬以降の気温低下により冬物商材が動くとともに、円安を背景としてインバウンドが好調。10月から続けてお節料理やクリスマスケーキの予約も堅調だった。

■商品別売上は衣料品や雑貨が好調

 大都市では10都市中9都市で前年同月を上回った。その中では札幌(前年同月比:10.1%増、以下同じ)、東京(9.7%増)、京都(13.0%増)、大阪(15.9%増)、神戸(8.3%増)、福岡(12.9%増)が比較的伸び率が大きめ。唯一、広島(10.4%減)が前年同月を下回った。

 都市以外の地区は明暗が分かれており、関東(0.2%増)、中部(5.3%増)、近畿(4.3%増)、九州(0.2%増)が前年同月を上回り、東北(8.0%減)、中国(1.7%減)、四国(0.2%減)が前年同月を下回った。

 商品別売上高は多くの商品で前年同月を上回った。その中でも婦人服・洋品(10.3%増)、身の回り品(16.0%増)、化粧品(17.2%増)、その他(11.5%増)で2桁割合の増加。紳士服・洋品(6.7%増)、その他衣料品(6.1%増)、菓子(5.2%増)、食堂・喫茶(9.7%増)で伸び率が大きめ。一方、家電(3.1%減)、その他食料品(1.9%減)、商品券(5.6%減)の3商品で前年同月を下回った。

■ショッピングセンターは飲み会需要が復活傾向

 同日、日本ショッピングセンター協会が11月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比8.9%増の6,004億1,033万4,000円となり、百貨店同様に21カ月連続で前年同月を上回った。

 売上動向も百貨店と同じように11月後半の気温低下により、冬物衣料やブーツなどの冬物商材が動いた。さらにブラックフライデーやセールなども売上に寄与している。飲食部門は飲み会需要が復活しつつあり、サービス部門ではリラクゼーションや旅行関連が好調だった。

■大都市・地方とも全て前年同月上回る

 売上のうち、テナントが前年同月比10.5%増の4,705億4,875万4,000円、キーテナントが同3.5%増の1,298億6,158万円となり、全体同様に21カ月連続で前年同月を上回った。

 大都市・その他の地方ともに全て前年同月を上回った。大都市は札幌市(前年同月比:11.3%増、以下同じ)、東京区部(13.4%増)、大阪市(10.4%増)、神戸市(13.3%増)、広島市(17.9%増)、福岡市(11.5%増)で2桁割合の増加。その他の地域の中では、北海道(10.7%増)、関東(7.6%増)、中部(9.9%増)、近畿(7.9%増)、九州・沖縄(11.4%増)で比較的大きく伸びている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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