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企業は「アフターコロナ」から「成長・拡大」へ 成長戦略は新規開拓 東京商工リサーチ
東京商工リサーチは25日、「成長戦略に関するアンケート調査」の結果を発表した。多くの企業が2023年にコロナ前比で増収を実現し、すでに「アフターコロナ」から「業績の成長・拡大」フェーズへシフトしつつあることが確認できた。また今後の成長戦略は、大企業と中小企業で違いがあったものの、いずれも「新規販売先の開拓に注力」や「人員増強」を重視している。
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日経MJによる25日の発表によれば、11月の主な衣料品・靴専門店の既存店売上高は12社中10社が前年同月比で増収となった。中旬から気温が下がったことを受け、厚手のアウターやブーツなどの冬物の売上が伸びた。また、大型セール「ブラックフライデー」で客足も増えたと言う。
同じく日経MJが22日に発表したところによれば、10月の主なスーパー15社の全店売上高は、前年同月比2.8%増で13カ月連続での増収となった。日本チェーンストア協会に加盟する54社の既存店売上高も、8カ月連続で前年同月を上回っている。全体の傾向として、値上げによる客単価上昇が消費者による買い点数の減少を補った。
かかる状況下、東京商工リサーチは25日、「成長戦略に関するアンケート調査」の結果を発表した。企業業績が「コロナからの回復」から「成長・拡大」フェーズへの変化しつつある中、現状と今後の戦略を調査したもの。1日~11日にインターネットによるアンケート調査を実施し、4,926社からの有効回答を収集・分析。
2023年の売上高が2018年比で増えた企業の割合は、全体の59.1%だった。また、「増収幅は10%以下」が21.3%と最多だったものの、「同10%超20%以下」と回答した企業が16.4%も存在。企業規模別では、大企業は63.7%が、中小企業は58.5%がそれぞれ「増収」だった。産業別では、農林漁業等、情報通信業、不動産業、小売業において「増収」企業の割合が高く、一方、製造業、金融・保険業、運輸業、建設業で「減収・横ばい」企業の割合が高かった。
企業規模や産業により差はあるものの、「アフターコロナ」から「業績の拡大・成長」フェーズへシフトしている企業が増えていると言える。
今後の成長戦略は、「新規販売先の開拓に注力」、「人員増強」、「既存販売店への拡販に注力」の順に多かった。大企業に限ると「新商品・サービスを投入」が最多だったが、中小企業においてはこれを選択した割合が低く、全体ではトップ3に入らなかった。また、「海外販売」も大企業と中小企業で差が大きかった。(記事:dailyst・記事一覧を見る)
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