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ミレイ新大統領がアルゼンチンを救うか!?
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●急進的なリバタリアンのミレイ氏がアルゼンチン大統領に
南米のアルゼンチンで12月10日、経済学者出身のハビエル・ミレイ氏が大統領に就任した。4年ぶりに、左派政権から右派政権へと政権交代することになる。
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アルゼンチンはインフレ率が200%を超えるなど、深刻な経済危機となっており、11月に行われた選挙でミレイ氏は抜本的な改革を訴え、若者を中心に支持を集めた。
中央銀行と通貨ペソの廃止、歳出削減などを掲げている。外交面でも中露と距離を置き、米国との関係を強化すると見られる。
過激で予測不能な言動が注目を集めており、「アルゼンチンのトランプ」とも言われている。ミレイ氏がアルゼンチンを救うのだろうか?
●アルゼンチン経済の歴史
アルゼンチンは歴史から見ても、経済の浮沈の激しい国である。世界8位の広大な土地を生かし、1930年代の世界恐慌までは、農業国として経済成長を遂げてきた。世界恐慌後にクーデターが起き軍事政権が誕生するなど、低迷が続いた。
1990年代には自由経済政策が奏功し、再び経済成長を遂げたが、アジア通貨危機の余波を受けて、2001年には再びデフォルト(債務不履行)となった。
2003年からは世界的な好景気にも助けられ、毎年8%を超える経済成長を遂げ、BRICsに続く新興国群VISTAの一角にも数えられた。2012年以降は保守主義やバラマキ政策で再び経済危機に陥った。
スペインから独立した1816年以降、9度のデフォルトを経験している。
●仮想通貨政策にも期待?
ミレイ氏は仮想通貨に好意的と伝えられており、大統領選勝利時にはビットコイン価格が2%近く上昇する場面があった。
ミレイ氏はビットコインを、「お金が本来の創造者である民間部門に戻ってきたもの」としている。
ミレイ氏は無政府主義者とも言われており、通貨のドル化を公約には掲げていても、エルサルバドルのようなビットコインの法定通貨化には言及していない。ビットコインに関する政策についてまだ明らかになっていないが、何か出てくれば再び大きく価格を左右するかもしれない。
アルゼンチンが再び経済成長するか注目である。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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