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カテーテル治療牽引役:朝日インテックが足を踏み入れるロボティクスシステムとは
朝日インテック(東証プライム)。循環器系治療のPCIガイドワイヤーが主軸。1976年設立時の祖業は、産業用機器に使用される極細のステンレスロープ。
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PCIガイドワイヤーに取り組むようになった契機は、当時のカテーテル(医療用の柔らかい管)治療の第一人者から持ち込まれた、「CTO(慢性完全閉塞)を治療する(PCI)ガイドワイヤーが作れないか」という依頼だった。
COTは外科手術が主体だった。件の医師は当初、海外の大手医療機器メーカーに話を持ち込んだ。がそのころの技術水準では難しく「NO」。カテーテル治療の中でもCTOは難易度が高く、医師自体の高度・微細な技術が不可欠だった。
朝日インテックはそんなガイドワイヤー作りに挑み成功、今日の立ち位置を手にしたと言って決して過言ではない。
周知のことと思うが、近年著しい進歩を遂げているカテーテル治療(PTCA)とは・・・『手首や足の付け根から細い管(カテーテル)を血管内に挿入し、狭くなった血管を拡げて行う治療。患者にとっては痛みが少なく、入院日数も短縮され経済的負担も少ない。現在では冠動脈治療の主流になっている』という優れもの。詳細は朝日インテックのHPを覗いてもらうとして、PTCA治療の流れはこんな具合。
<挿入: PTCAガイドワイヤーをいわばレールにして、PTCAバルーンカテーテルを血管の狭くなっている部分まで進める>。
<拡張: そこでPTCAバルーンカテーテルを膨らませ、内側から血管を押し広げる>。
etc。
今2024年6月期は「11.4%の増収(1003億5300万円)、13.1%の経常増益(199億5100万円)、13.5%の最終増益(148億7200万円)、1.95円増配16.43円」計画。開示済み第1四半期の中間期予想進捗率は「57.5%、76.6%、75.2%」と、好調。
至26年6月期の中計が進行中。
「売上高1100億円(22年6月期比31.7%増)」を掲げ、「研究開発費132億円」が示されている。
「110カ国・地域のビジネス拡充の具体策として、米国のPTCAガイドワイヤーのシェアを50%に高める」としている。
興味深いのはM&A戦略も視野に入れ、次世代スマート治療:ロボティクス分野への注力を公にしている。具体的には「ロボットが超音波機器の先端を血管の狭窄部分に追従させることを可能にするシステム(エコーガイドシステム)で、医師は超音波画像を見ながら血管の中心にガイドワイヤーを操作することが可能になる」といった具合。
時価は9月13日につけた3078円からの調整場面。2800円台半ば水準。IFIS目標平均株価は、算出者の12人中11人が「強気」の3334円。仮に2014年の初値で買い保有していると、修正値ベースの株価パフォーマンスは5.6倍強。中長期構えで資産株形成を視野に入れるべきか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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