ノーベル経済学賞、労働市場における女性の研究進めたクローディア・ゴールディン氏が受賞

2023年10月11日 08:25

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記事提供元:スラド

headless 曰く、  2023 年ノーベル経済学賞は、米ハーバード大学のクローディア・ゴールディン氏が受賞した。授賞理由は女性の労働市場における成果の理解促進(プレスリリース一般向け解説詳細解説)。

女性は世界の労働市場で過小評価されており、同じ仕事をしても収入は男性より少ない。ゴールディン氏は 200 年以上におよぶ米国のデータを集め、収入と雇用率に関する性差がどのように、どうやって変化してきたのかを示した。

ゴールディン氏の研究成果によると、既婚女性の労働市場参加は農業から工業化社会に移行した 19 世紀初めに減少し、サービス業が成長した 20 世紀初めに再び増加してU型の曲線を描いているのだという。このパターンをゴールディン氏は構造的な変化と、家庭と家族に対する女性の責任に関する社会規範の進歩の結果だと説明する。

20 世紀を通じて女性の教育レベルは向上し、最も収入の高い国々では実質的に男性を上回っている。経口避妊薬の入手性が女性のキャリア計画に革命的な変化を与えたという。それでも女性と男性の収入差が縮まらない理由としては、子育てにおける女性の負担が引き続き大きいことが挙げられている。子供が成長するまで家庭にとどまる必要のあった母親の経験が若い女性の期待を形成するなら、発展は遅くなるとのことだ。

今回の発表ではゴールディン氏につながっていたはずの電話が切れてしまい、再び電話をかけてもつながらずに会場での質疑応答のみとなった。

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