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DNPとレノボ、不登校や日本語指導必要な生徒にメタバースで学びの場
バーチャル・ラーニング・プラットフォーム(VLP)と3Dメタバースのレイアウトのイメージ(画像: 大日本印刷の発表資料より)[写真拡大]
大日本印刷(東京都新宿区、DNP)とレノボジャパン(東京都千代田区)は22日、東京都の不登校や日本語指導が必要な児童向けに、3Dメタバースで学びの場の提供を始めたと発表した。名称は「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」。
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都の公立学校には、不登校の児童が2万2000人おり、日本語指導を必要とする生徒が約5000人いる。これらの児童に向けて、3Dメタバースの仮想空間上に居場所をつくり、学びのコンテンツも提供する。専門の教育を受けた支援員も配置し、メンタルケアも行う。
例えば展示スペースに児童の描いた絵を展示したり、教材スペースでWeb教材を選択し、外部遷移してオンライン学習が行える。おしゃべりスペースでは、アバターがプライベートスペースに入ると、エリア外の人に声が聞かれずプライベートな会話が可能だ。自宅でひとりで学習していても、複数人で学習しているような感覚が味わえる。
都の公立学校の児童が対象。ブロックプログラミングからテキストコーディングまで小中高生が学習できるWeb教材を提供し、不登校支援実績のある学習コンテンツも提供する。外国にルーツを持つ生徒向けにも、専用の教材を用意した。キャリアイベントや、進路セミナーなどのイベントも実施する。メタバース上の観光地や美術館への見学会も企画する予定だ。
文科省が推進する「GIGAスクール構想」で用いる多様な端末でも、快適に操作できる3Dメタバースを準備する。アバターやアイテムがリアルに体感できるため、没入感が向上。児童・生徒の参加意欲アップにつながる。
この取り組みは、都の「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム事業に係わるプラットフォーム構築・運営組織」に採択されて開始したもの。すでに9月1日から新宿など8自治体がサービスを利用している。
今後は不登校や日本語指導の必要な生徒向けだけでなく、より価値の高い教育サービスを開発し、全国の自治体や教育現場を支援していきたい考えだ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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