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健康経営のパートナー:エムステージHDは上場を視野に斯界を牽引している
「健康経営」。企業の存在価値を問う重要なキーワードとなっている。その意味で「健康経営実現のパートナー」と目される企業に注目したい。
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高い評価を受けている1社にエムステージホールディングス(以下、エムステージHD)がある。設立は2003年。斯界の牽引役を果たしてきた。
医療コンサルティング会社を経て前身のメディカル・ステージ(16年、現社名に変更)を設立した経緯を、社長の杉田雄二氏はこう振り返っている。
「籍を置いた会社で、無理な勤務体制に疲弊の声をあげる医師と人材不足に喘ぐ医療現場を目の当たりにした。献身的な活動を続ける医師一人ひとりの支えになりたいと痛感した。人材を求める医療現場へ、求められる人材を繋げる事業(医師のキャリア支援事業)を始めた」。
当時、医師の7割が男性。女性は3割。具体的には例えば、アルバイト・パートといった多様な人材紹介で女性医師の活躍の場を広げた。結果として常勤医の負担軽減、医師不足の解消を目指した。医療コンサル時の実体験に基づいた、地に足のついた展開だった。
前記の「健康経営実現のパートナー」の道に歩を進めたのは、2016年。社会の変化が背景。「医療費の負担増⇔医療費をまかなう生産人口の減少」「ストレスチェック制の義務化」「パワハラ相談窓口設置の義務化」等による、「健康経営に対する注目度の高まり」。
そしてある医師の「無力感を感じることがある。病気を治すために一生懸命働いているが、そもそも病気になって苦しんで欲しくない。医師も予防という分野を強化しなくてはならない」という切なる言に打たれた。
周知の通り、従業員50名以上の事業場では産業医の設置が義務付けられている。が「形式だけ」という指摘が多い。エムステージHDでは産業医の実体化と、どう取り組んでいるのか。問うた。こんな答えが返ってきた。
▼ベースは創業以来の人材紹介業で積み重ねてきた、3万9000名余の登録医師。
▼適宜な機会をつくり、かつウェブセミナーなどの積極的展開で真摯な産業医体制の拡充。同時に企業開拓を図る。
▼医師と企業とのマッチングに際しては、企業側の希望する医師の詳細なヒアリング(専門性・経験・保有資格・人柄等)を基に、医師のデータベースから候補医師をピックアップし1名に絞り込み企業に提案する。
エムステージHDでは従業員のヘルスケアと一体化した形で、心のケア(ストレスチェック)も積極的に進める構えを示している。
例えば、産業医が従業場に身をとどめる時間には限りがある。心身の微細なケアにはそこを補う存在が不可欠。「産業保健師(保健師・看護師の有資格者)体制の整備」を訴える。ちなみに2020年末で、5万5595人が就業している。「紹介・派遣」も担っている。
私の主治医は所沢第一病院の内科医:M医師。産業医も務めている。彼も言った。「産業医&産業保健師体制が整備されて初めて、健康経営は実現する」。
エムステージHDでは、「上場を視野に、今後も産業保健事業部のサービスや管理体制の強化を進めていく」とした。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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