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ファーストリテイリング、国内正社員の賃金最大40%アップ 3月に改定へ
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衣料のユニクロなどを運営するファーストリテイリンググループは11日、3月に国内正社員の基本給水準を改定し、賃金を最大40%引き上げると発表した。人手不足が深刻化する中、好待遇をアピールして優秀な人材を確保するとともに、欧米の正社員との年収差を縮めるためで、政府が呼び掛けている大幅賃上げの先鞭をつける格好になる。
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ファーストリテイリンググループは、職種や階層別に求められる能力や要件を基に、各従業員に約20に分かれた報酬水準を定めているが、3月にこれを改定して数%~約40%アップする。対象は国内の正社員約8400人となる。
新入社員の初任給は現在の25万5000円を30万円(年収で18%アップ)、入社1、2年目で就任する新人店長の月収を29万円から39万円(年収で36%アップ)にする。その他の従業員も数%~約40%の範囲内で賃上げする。現在の制度導入後、全面的に賃上げを実施するのは初めて。これに伴い、役職手当を廃止する。
一定の地域で働く地域正社員は今後、賃上げする方針。今回の正社員報酬改定に先立ち、国内店舗の準社員(パート)、アルバイトの報酬は2022年9月に平均約2割引き上げている。
国内では、企業の賃金上昇に頭打ちが続く中、物価の上昇と社会保障関連の負担増により実質的な賃下げ状態が続く。政府が経済界に賃上げを要請しているが、態度を明確にしていない企業も少なくない。
ファーストリテイリンググループは、2022年8月期決算で売上高が前期比7.9%増、純利益が前期の1.6倍と、2年続きの過去最高という好業績を記録しており、賃上げの余力があるとみられている。コロナ禍の影響をぬぐえず、業績面で苦労している他社がどう動くのか、注目される。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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