ジーニー、売上総利益・営業利益は3Q時点で前年を上回る規模まで増加 ブランドを刷新しさらなる進化へ

2022年2月21日 17:29

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記事提供元:ログミーファイナンス

メッセージ

工藤智昭氏:第3四半期の決算説明会を始めさせていただきます。まず、今回の決算のサマリーについてご説明します。

当社は、売上と売上総利益がほぼ同じSaaSと、売上のグロスが大きいものの粗利率が低い広告のビジネス、2つの事業を持っています。今期は経営上で最重視している売上総利益が、YoYで47.3パーセントのプラス成長を遂げることができました。

国内トップクラスのSaaS運営会社と比較してもほぼ変わらない成長率を実現できており、売上総利益の規模もそのような会社に近い水準になってきていると思います。さらに、第3四半期までに累計で約4億円営業利益が出ており、売上総利益の高成長を実現しながら、通期達成に向けて大きく前進している状況です。

このような状況をうけ、個人投資家への株主還元の強化のため、持株に応じて一定の還元が行われる株主優待制度を導入しています。また、事業の定性的な報告となりますが、会社全体としてパーパスを設定し、あらためて会社の存在意義を言語化しました。

当社が過去に買収してきたプラットフォームや、自社で開発したプラットフォームでブランドが分かれていたのですが、それらの統合によるワンストッププラットフォーム化を推進します。ここからクロスセルを行うとともに、マーケティング費用の効率化を加速していこうと思っています。

さらに、パーパスの実現のために、CATSというマーケティングテクノロジーを持っている会社を子会社化しています。Web広告の効果測定やレポート作成の自動化により、インターネット代理店や広告主を支援するツールを持っている会社です。その分野では業界3位くらいの会社を買収し、大きく成長させていくことを目指しています。

売上総利益及び営業利益䛿、前通期を上回る規模まで大幅に増加

売上総利益は前年比でプラス47パーセントという大きな成長を成し遂げています。営業利益も、通期で約2億円という前年の実績と比較して、今期はすでに第3四半期までの累計で約4億円と、収益化、利益の創出が大きく進んでいる状況です。

売上総利益や事業の拡大にあわせ人員などのコストもかなり増やしているのですが、それでも一定の利益が出る体制を作ることができています。

パーパスを新たに設定

パーパスを新たに設定しています。当社にはいろいろなプロダクトがあり、これからも買収したり新規事業に果敢に挑んだりしていくつもりですが、それらすべてのプロダクトが目指すところは、スライドに記載のとおり「Business Purpose」として定義しています。

我々の「Business Purpose」としては「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」というものを置いています。インターネット広告やマーケティングはどんどん複雑化し、難しくなってきていますが、リテラシーが低い広告主にも、反対にリテラシーが非常に高くてハイエンドのプロダクトを求めている広告主にも対応できるようなプロダクトを目指して、このようなパーパスを設定しています。

当社の設立の志として、「日本から世界的なテクノロジー企業をつくる」ということを掲げていますが、そちらも変わらず、会社組織の目標として掲げ続けようと思っています。今でも、どうすればもう一段階上のテクノロジー企業になれるのかということを社内で議論したり、仕組みをアップデートしたりしています。

日本から世界的なテクノロジー企業を創出し、日本とアジアのコミュニティに貢献していこうと思っています。

ブランド名変更

ブランド名を変更し、今まで分かれていたいろいろなプラットフォームを「GENIEE Marketing Cloud」と「GENIEE Ads Platform」という2つのプロダクトに集約しています。

プロダクト名とロゴを刷新

各プロダクト名のビフォーアフターを、スライドに記載しています。いろいろなマーケティングで使われるSaaSについて、買収してきたプロダクトが多かったのですが、それらを「GENIEE SFA/CRM」「GENIEE CHAT」「GENIEE MA」「GENIEE SEARCH」と置き、「ジーニーブランド」としました。このようにマーケティングSaaS事業のツールをリブランドしています。

「GENIEE Ads Platform」は、主に広告の商流を仲介するようなプラットフォームとなっており、こちらは当社の祖業です。もともとの「ジーニーブランド」のプロダクトについては変わらず、今回はロゴなどを統一しています。

事業概要

当社の祖業は、インターネット広告の仲介をプラットフォームやソフトウェアで行う「GENIEE Ads Platform」という事業です。現在は海外4ヶ国に進出しており、その現地のメディアに加え、インドなどを含めいろいろな他国のメディアに営業して取引先を拡大しています。

「GENIEE Marketing Cloud」は決算のセグメントとしてはマーケティングSaaS事業です。企業がマーケティングで使う「BI」というデータを分析するツールやチャットボットなどのようなツールとSaaSを束ねたものをマーケティングクラウドと呼んでいます。こちらが現在の投資事業であり、高成長事業となっています。

広告プラットフォーム事業

「GENIEE Ads Platform」には広告主向けの機能「GENIEE DSP」と、メディア向けの機能「GENIEE SSP」があります。

広告主はプロモーション、Webで広告を出す際に「GENIEE DSP」に予算を設定し、それをジーニーが提携している「GENIEE SSP」で提携している大量のメディアに効率よく広告配信、マッチングしていくモデルとなっています。

広告主からお金をいただき、メディアにお支払いする中間マージンをジーニーがいただいています。

マーケティングSaaS事業

マーケティングSaaS事業のラインナップはスライドに掲載のとおりです。それぞれのプロダクトが拡大していますが、営業や顧客管理をする「ちきゅう」(SFA/CRM)、チャットボットの旧「Chamo」だったツール、検索エンジン「GENIEE SEARCH」 などを持っており、集客後の顧客育成や顧客管理、集客の後押しをするツールを一括してジーニーで提供しています。

海外事業

海外事業は設立から8年経っており、今期も引き続き成長しつつ、過去最高の営業利益を達成しています。

市場規模①

市場規模はスライドのようになっており、インターネット広告市場はテレビの広告を抜き最大の広告市場となってきており、拡大し続けています。

また、コロナ禍でもDXのニーズは強まっていますので、SaaS市場が大きくなっている中、弊社はマーケティングDXやマーケティングSaaSに特化して事業を行っています。

市場規模②

当社の細分化された市場規模をご説明します。今のプロダクトを強化していくと、おそらく取れるであろう市場は1.2兆円あります。その周辺の市場まで広げると、2.8兆円くらいあります。

日々、プロダクトの能力を上げるための開発をしており、プロダクトの便利さや使いやすさ、お客さまにとっての価値をどんどん開発し続けています。同時に、ジーニーの売上や売上総利益をSAMに近づけていく活動を、常に行っています。

FY2021 3Q 決算サマリ

第3四半期の決算サマリです。冒頭からお伝えしているとおり、売上総利益は前年同期比47.3パーセント増と、大幅に増加しています。

売上も伸びており、営業利益は累計約4億円です。これまでと比べてもとても高い数値で、前年比971.3パーセントの成長率を実現しています。

FY2021 四半期毎業績

グラフのとおり、広告プラットフォーム事業は季節性があります。3月は企業の決算の繁忙期となり、年末のクリスマスなどの商戦期で広告をたくさん出す企業がいるので、数値として、第3四半期と第4四半期に山ができやすく、当社も繁忙期となっています。第3四半期はスライドに記載の数字となっており、第4四半期はさらにこれを超える数字を目指しています。

「売上がそれほど伸びていないのではないか?」というご指摘もたまにいただきます。今回、収益認識基準の変更がジーニーでも発生しており、我々の場合は10億円くらいありますので、きちんと前年比のプラスの数値が出せています。

またSaaSのビジネスは、売上のグロスは小さいのですが、売上総利益は非常に高いです。そのような性質から売上高は伸びていないように見えますが、企業としては確実に大きく成長しています。

セグメント別 ハイライト

セグメント別のハイライトです。広告プラットフォーム事業は、第3四半期累積で売上高82億円、セグメント利益12.1億円、営業利益7.5億円となっています。

マーケティングSaaS事業は、セグメント利益0.3億円、営業損失は3億円ほどマイナスとなっています。

海外事業は、14.4億円の売上高となっており、セグメント利益1.1億円、営業利益は7,000万円です。

広告プラットフォーム事業はコロナ禍でもターゲットを絞って営業やプロダクト開発することで伸びています。また、サードパーティCookieに依存しない開発などを進め、いろいろな市況の影響を受けないように伸ばし続けています。

マーケティングSaaS事業は、オンラインセミナーの開催や展示会などに参加して、積極的にリード獲得し拡大しています。また、「GENIEE DATA CONNECT」という非常にニーズが強い企業のデータを集約するサービスを提供しています。

広告プラットフォーム事業 売上総利益推移

アド・プラットフォーム事業はこのような売上総利益の数字になっています。ジーニーの祖業として昔から行っておりますが、過去最高の売上総利益を更新しています。前年比30パーセント近い成長となっています。

来期に関しても、2桁の成長ができるように努めています。まだ大きな市場規模があるため、プロダクトの能力を上げ、持続的な高成長ができるようにしていきたいと思っています。

広告プラットフォーム事業 KPI

アド・プラットフォーム事業のKPIです。大型の取引が増え、社単は徐々に上がっています。社数は今期下げ止まり、再び拡大しています。

マーケティングSaaS事業 売上高推移

マーケティングSaaS事業の売上はスライドのように推移しています。売上の中に月額の部分とワンショットの部分があるため、少しグラフがでこぼこしていますが、基本的には四半期ごとや年ごとにバーを上げていくかたちにしています。

第3四半期に関しては、YoYで36.1パーセントの成長を実現しています。第4四半期に営業利益の黒字化を目指しています。

マーケティングSaaS事業 KPI

アカウント数と解約率という、SaaSのKPIの指標です。アカウント数は順調に伸びてきており、解約率も1パーセントを切るところで推移しています。

トピックス①

現在ECのお客さまにもプロダクトを強化しており、CATSという会社を完全子会社化しています。こちらは、アフィリエイト広告の効果測定サービスや、代理店が行う広告総効果のリポートなどを自動集計するツールを提供している会社です。こちらを子会社化し、事業の統合や、さらなる成長を後押しすることを現在進めています。

トピックス②

第3四半期にリリースした「GENIEE DATA CONNECT」についてです。企業から、いろいろなデータベースにデータが散らばっており、統合してほしいという要望を多くいただいていました。その統合を押し進めるサービスです。

非常に簡単にあらゆるデータを統合、蓄積し、いろいろなツールに活用したり、広告で活用できるツールになっています。

FY2021 通期業績予想

業績予想です。売上総利益で前年比50パーセントを超える成長を予想しており、達成に向け随時進行しています。営業利益は6.4億円から8.4億円を目指しています。第4四半期が弊社の商戦期ですが、そこをしっかり刈り取り、この数値を達成することを考えています。

また、マーケティングSaaS事業は営業利益が今期も赤字ですが、現在第4四半期は恒常的に赤字が解消できる水準を目指しています。来期の利益はもう一段高いものを狙っており、黒字化を進めています。

中期方針

中長期の方針は、これまでと特に変わらず、パーパスの実現のため、マーケティングテクノロジー領域のリーディングカンパニーとなるべく、広告プラットフォーム事業を引き続き拡大しながら、マーケティングSaaS事業の急成長を目指しています。

また、プライム市場への上場基準をクリアすることを目標としています。特に直近では経営成績の実現に力を入れ、マイルストーンを組んで推進しています。

今後もM&Aを重ね、海外の投資家を呼び込むために、会計基準はIFRSの適用を検討しています

FY2023 数値目標

FY2023の数値目標です。今年4月からがFY2022になるため、その次の数値感ですが、このような数値を目標として事業を進めています。

前期から今期で売上総利益が50パーセント成長しているため、今期から来期にかけても非常に高い成長率を目指し、その次も同じような成長率を目指すことで、この数値を実現させるべく、事業に邁進しています。

株主優待制度の新設

より一層個人の投資家の方々への還元を増やすため、株主優待制度を導入しています。

特に大量保有していない個人投資家向けに、ポイント率を高く設定しています。

自己株式の取得状況について

自己株式の取得状況です。株価は直近で900円まできています。この市況が非常に悪い中でも株価は上がってきているため、今がチャンスと思って投資していただけると幸いです。

以上でご説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

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