ネクストミーツ、イトーヨーカドーで代替肉を販売 原料は植物性タンパク質

2021年3月27日 08:16

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精肉売り場での販売のイメージ(画像:ネクストミーツ発表資料より)

精肉売り場での販売のイメージ(画像:ネクストミーツ発表資料より)[写真拡大]

  • 左:NEXTカルビ、右:NEXTハラミ(画像:ネクストミーツ発表資料より)

 フードテックベンチャーのネクストミーツは26日、スーパー「イトーヨーカドー」の精肉売り場で、焼肉用代替肉「NEXTカルビ1.1」「NEXTハラミ1.1」の販売を開始すると発表した。関東圏の11店舗で販売する。代替肉が、乾物や大豆製品ではなく食肉と同等に扱われ、当たり前に食卓に並ぶ時代がきている。

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 代替肉のNEXTカルビ・ハラミは、植物性タンパク質(大豆など)を原料に、肉の味や食感を再現してつくられたフェイクミート。一般的な焼肉と比べ、脂質が半分以下でタンパク質はおよそ2倍。添加物を使用しておらず、完全植物性で動物性原料も一切含まれていないという。NEXTカルビ・ハラミいずれも、1パック(80g)税抜398円で販売する。

■精肉売り場での販売開始の背景

 今回の販売を後押ししたのは焼肉店での実提供にある。昨年10月から、1人1ロースターが特徴の「焼肉ライク」で販売を開始。始めは1店舗での実施だったが、好評を受けて順次拡大。12月には国内50店舗全店での実施となった。焼肉ライクには、代替肉は「違和感なくて美味しい」「定番化を」といった反響が寄せられたという。

 代替肉の販売を推進する背景には、気候変動や食料危機への課題意識がある。近年の研究では、飼育時の土地・飼料・用水・牛が排出するメタンガスなど、過剰な畜産が地球に与える影響の大きさが証明されている。地球温暖化の原因である温室効果ガス排出のおよそ15%が、過剰な畜産(食肉)によるという。そのため環境負荷の低い植物性食料で構成される代替肉は、気候変動対策となる。

 販売元のネクストミーツは2020年6月設立のベンチャー企業。2017年から代替肉の研究を開始し、プロダクト完成を機に法人化。2020年12月には国内外への流通強化を目的に、豊田通商とパートナーシップの基本合意を締結。2021年1月には米国証券市場でSPACスキームにより上場、ESG投資先としても注目されている。

 また、6月からはニューヨークでも焼肉などの販売を予定。3月15日から既に販売を開始している鶏代替肉の冷凍食品「NEXTチキン1.0」は、鶏肉需要の高いインドでの販売を視野に入れているという。

 イトーヨーカドー精肉売り場でのNEXTカルビ・ハラミの販売開始は、3月29日から。木場・横浜別所・大宮・幕張など11店舗で販売予定。ネクストミーツは、代替肉の事業展開を通じて「地球を終わらせない」ことを目指し、気候変動と人類の食料危機の課題に取り組んでいくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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