ユーグレナら3社、キューサイを買収へ コカ・コーラから全株式取得

2020年12月16日 17:27

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 ユーグレナ(東京都港区)は15日、東京センチュリーおよびアドバンテッジパートナーズの運営するファンド(APファンド)と共同で、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスからキューサイの全株式を取得すると発表した。譲渡予定日は2021年1月29日。

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 3社は特別目的会社を設立してキューサイ株式を取得する。当初の出資比率は、APファンドが67.22%、東京センチュリーが19.94%、ユーグレナが12.84%となるが、ユーグレナは1年以内を目処に出資比率を最大49%まで高め、キューサイを連結子会社化する方針だ。

 キューサイは青汁で知られており、約37万人の通販顧客を有し年間約250億円の売上を上げている。顧客基盤と通販ノウハウ、商品開発力があることから、さらなる成長余地があると見た。

 3社は協働し、キューサイを健康食品と化粧品販売の通販会社から、事業転換させる方針だ。目指すのは、ユーザーが年齢を重ねることに向き合っていくことを支援する「ウェルエイジング支援カンパニー」だ。

 ユーグレナはみどりむし(学名:ユーグレナ)を活用し、食品や化粧品の販売、バイオ燃料の研究などを行っておりキューサイと親和性が高い。ESGやSDGs領域に強く、デジタル活用が進んでいる。

 キューサイは、アドバンテッジパートナーズと東京センチュリーの経営改善やPMIのノウハウを活用。商品ラインアップの拡充やブランディングの強化を図ることになる。ユーグレナが持つデジタルマーケティングの知識も投入し、プレシニア層に顧客基盤も拡大していく。

 政府は「健康寿命の延長」を目指し、経済産業省が「ウェルエイジング」を推進している。ヘルスケア業界でも、年齢に抗うアンチエイジングではなく、上手に向き合うウェルエイジングが重要なキーワードとなっている。バイオベンチャーのユーグレナが老舗のキューサイを子会社化し、ウェルエイジングに舵を切るのは、象徴的な出来事だ。

 ユーグレナの出雲充社長は「キューサイは長らく尊敬し目標としてきた大先輩企業。事業参画は大変うれしく光栄。サスティナブルな健康をお届けできるような事業成長を一緒に実現していく」と話している。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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