移動式オービスが増加! 生活道路だけでなく幹線道路にも

2020年4月21日 07:33

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 新たな速度違反自動取締装置として、一般に移動式オービスと呼ばれている「可搬式速度違反自動取締装置」の全国普及が進んでいる。導入に当たり子供の通行が多い生活道路などが設置対象のはずであったが、現在は幹線道路にも設置される例が多くなった。

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 2019年6月、「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」において、移動式オービスを全国的に普及させ、子供の通行が多い生活道路等における適切な交通指導取締を行うこととされた。

 主に、重点通学路、幼稚園・保育所等周辺の生活道路等における取締や、30km/hの速度規制がなされた道路の入口等での指導が目的だ。当時の報道でも、速度取締が困難であった狭い道路でも取締の活用が期待されると報じられた。

 しかし最近では、都道府県警察が発表する取締情報の中にも、幹線道路に移動式オービスを設置することが記載されるようになった。

 例えば、大阪府警察の発表によると、交通事故多発路線や早朝・夜間を問わず幹線道路をはじめ、通学路や生活道路等様々な場所で速度取締を行うと発表している。当然、他の都道府県警察でも同じような発表が行われており、現状は神出鬼没となっている。

 移動式オービスがこれまでのオービスと大きく異なるのが、速度取締地点の特定ができないこと。そのため、GPS機能などで速度取取締情報を表示させることができず、知らない土地を走るときにオービス情報が全く手に入らない。

 これまでは、一般道路では30km/h以上、高速道路では40km/h以上の違反といった、一発で免停となる速度域で固定式オービスは取締を行っていた。それが、2019年度の道路交通法違反の取締状況を見ると、驚くことに15km/h未満の違反でも速度取締が行われていることが分かった。

 速度違反の取締件数を2018年と2019年で比べると、どの速度域でも概ね減少傾向が見られるが、15km/h未満の取締件数だけ増加に転じている。2018年は43件だったのに対し、2019年ではなんと340件に増えている。

 普通に道路の流れに沿って走っていれば、15km/h未満の速度超過はいつでも起こりうるのではないだろうか。これからは、危険な速度域で違反していなくても、通常の道路の流れに沿った速度域でも取締対象になることを頭に入れ、安全運転に心がける必要があるだろう。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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