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日鉄鉱業、19年3月期は増収増益 子会社の不適切会計で延期の決算を発表
日鉄鉱業【1515】は29日、海外連結子会社による不適切な会計処理を精査するとして延期していた、2019年3期決算を発表した。売上高は前期比3.9%増の1,233億7,200万円、営業利益は同11.7%減の74億4,900万円、純利益は同9.9%増の53億6,000万円だった。
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また配当金は、創立80周年の記念配当が決議され、前期末に比べて15円の増額となる1株当たり65円となった。同社は10日、決算の発表を29日まで延期すると発表していた。
日鉄鉱業は、東京都千代田区に本社を置く石灰石や銅を中心とした鉱業会社。設立は1939年、旧日本製鐵の鉱業部門が独立したことが成り立ちである。
売上高は、同社全部門において増収となった。営業利益では、機械部門で11億1,200万円と前期比58.8%の増益となったが、金属部門にて4億7,700万円の営業損失を計上したため、全体として減益となった。一方で保有株式の売却益が特別利益として計上されたため、純利益は増益となった。
今期の見通しに関しては、中期経営計画の過程にあるとして積極的な大型投資を行うとしており、メインの鉱石金属部門では、世界各地の新規鉱源の確保と安定供給体制の確立をめざす。その上で業績予想は、売上高1,220億円、営業利益84億円、純利益52億円としている。なお想定レートは、LEM銅価格280¢/lb、為替レート110円/米ドルとしている。
不正会計処理が行われた子会社は、南米チリにて銅山を操業している「アタカマ・コーザン鉱山特約会社」。同子会社にて建設仮勘定の過大な計上があり、前々副社長による資産の私的流用があったことを認めた。その調査ならびに過年度の決算数値の精査が必要となり、決算開示が遅延したことを謝罪した。
19年3月期決算の発表と合わせ、前期と前々期の有価証券報告書および決算短信の訂正がなされた。さらに再発防止に向けた内部統制報告書の訂正書を、関東財務局に提出したことも発表している。(記事:福井廉太・記事一覧を見る)
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