採用面接の定番なのに難しい3つの質問 大企業への転職に必要なポイントは

2019年4月4日 19:23

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 今日は、大企業の採用面接の定番「3つの質問」について話します。私が属する広告業界に限らない普遍的な質問として、押さえていただきたく思います。

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(1)なぜ、●●業界なのか?

 これは、「適正」と「ミッション」の確認です。面接官は「業界内での資質」、つまり、「業界の未来に貢献できる人材か否か」を見定めます。たとえば、志望先の企業が社会変革を起こそうとする時、あなたは何ができるのか。ご自身の存在意義を“高い視点”で具体的に語らねばなりません。あなたが開発した商品やサービスが世の中をどう変えたのか。課題解決の思考プロセスを簡潔にプレゼンしてください。そして、話の最後は必ず「志望動機」にブリッジしてください。

(2)なぜ、▲▲社なのか?

 企業のミッションを達成するために、▲▲社でどうなりたいのか。あなたの目指す姿、未来像といった「ビジョン」を答えてください。▲▲社の成長戦略とご自身の成長戦略を語る文脈で、あなたのスパイク(戦闘力)をアピールし、▲▲社にとって「いかに利用価値の高い人間か」をロジカルに伝えてください。

 同時に「自分を武器として存分に使い潰してほしい!」と自己犠牲の気概を示すことを「保険」としてください。企業社会では「戦闘力」だけでなく、「協調性」を持ち合わせている人の起用率が高く、社内の生存競争を勝ち抜いていくためにも無視できない要素です。

(3)なぜ、■■職なのか?

 ここでは、あなたの「バリュー」を答えてください。新旧ある職種の中でも「■■職」でビジョンを実現しようとする価値観とその専門性を伝えます。その次に、エビデンスとして「実績」と「未来への強み」という二つのファクトを説明し、一気に関心を引きます。「この人を入社させれば、何かが得られる!」と強烈に認識させることが重要です。

 口頭で伝え切れない時は、具体案を提示し、ご自身が“最新武器”であることをプレゼンしてください。実体を見せることが「やる気」を伝えることであり、その企業に入社したい証です。


 「3つの質問」は、「どのような専門性を駆使し、会社と社会の何を変革する人なのか?」を詳しく探ろうとしています。大企業の中で働く意味と、あなたの仕事哲学が問われているのです。

 面接官はこれらに加え、さまざまな切り口であなたを揺さぶってきます。「耐性&変換力(クライアント対応力)」、「即時創出力(クリエイティビティー)」、「即決力(ディレクション力)」をチェックします。どんなハードな揺さぶりにも平然とアジャストできるように、準備して臨んでいただきたいです。

 最後に。私は常々言っているのですが、従業員は会社にとって“軍事兵器”であることをお忘れなく。あなたがどんな武器なのか。その戦闘力は企業の未来にどのように作用するのか。これらをしっかりと伝えきれば、クロージング(契約成立)です。

(プロフィール)
小林孝悦
 コピーライター/クリエイティブディレクター。東京生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。東京コピーライターズクラブ会員。2017年、博報堂を退社し、(株)コピーのコバヤシを設立。

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