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働き方改革関連法施行で何が変わる? 4月1日からいよいよ施行
2018年に成立した「働き方改革関連法」が、4月1日から順次施行される。この順次実施とあるのは、大手企業においては今年の4月1日より実施するが、中小企業においては来年4月1日からの実施と、変則的な施行となるためだ。多くの人たちのワークスタイルを変える法施行であり、専門職の働き方から、パートタイマー勤務者まで、多大な影響を与えるものと予想される。
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●働き方改革関連法のプロセス
日本の企業は、現在人口減による人手不足で、大手も中小も働き手の確保に四苦八苦している、というのが現状だ。正社員も非正規労働者も集まらない。女性や高齢者、外国人を戦力にしようと試みるがそれとて容易ではない、というのが実情だ。
そうした中で、大手広告代理店の女性社員が過労自殺した。そして長時間、過激な環境で働かせ続ける“ブラック企業”も後を絶たない。そんな社会情勢に、重い腰を上げた政府が打ち出したのが、2016年の「働き方改革実現会議」である。それが難産の末実ったと言えよう。
●働き改革関連法のポイント
「長時間労働の上限規制」
時間外労働の上限が、年720時間、2~6ヵ月の平均80時間に設定、これに違反した企業は、罰金が課せられる。
「同一労働同一賃金」
正社員と非正規労働者の待遇格差を禁止。
「有給休暇の取得義務化」
10日以上の有給休暇がある労働者に対し、毎年5日、時季を指定して有給休暇を取得させることを企業に義務化する。
「高度プロフェッショナル制度の導入」
高収入(年収1075万円)で、専門的知識を持った労働者について、本人の同意を条件に労働時間の規制から外すことが認められる。高プロで働く労働者は、自由で働ける残業や、深夜、休日の手当は支払われない。
「勤務間インターバル制度の普及促進」
前日の就業時間と、翌日の始業時間の間に、一定時間の休息を確保する。
「産業医の機能強化」
従業員の健康促進のため、医師体制を強化する。
「割増賃金率の有給措置の禁止」
時間外労働が、60時間を超えた時、50%の割り増し賃金率をかけて賃金を支払わなければならない、中小企業の割増賃金制度。中小企業には、これまで猶予措置が取られていた。今回の改正により、この措置は廃止されることになる。
●働き方改革の問題点
安倍晋三首相は、この「働き方改革関連法」を、国際競争に勝ち抜くための「最大のチャレンジ」と位置付けているが、果たしてどうなるだろうか。
一部ではすでに問題が出ていると指摘されている。それが冒頭に示した、大手と中小企業の時間差実施である。大手の企業が罰を受けるため、残業しない分の仕事を下請けに押し付けている構図が早くも露呈し始めている。中小企業においては、この1年間罰がない代わりに、残業時間は大きく膨れ上がる可能性が指摘されている。
戦後日本は、雇用慣行が上手くいき、改革を行わずに推移してきた。新卒採用した人を定年まで抱え込む「終身雇用制度」を貫いてきた。
これらがうまく機能したのは、男性社員が家庭も顧みず、長時間労働したことも一つの要因だ。家庭環境も変わり、このような無理な働き方はもうできない。そこに新しい働き方を見出さなければいけない時期に来たのだろう。
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