関連記事
成田空港、運用時間1時間延長で午前0時までに 19年冬ダイヤにも
(c) 123rf[写真拡大]
●深夜0時までの離発着が可能に
成田空港は、2019年の冬スケジュールにも空港の運用時間を1時間延長する見通しとなった。現在、成田空港では、地元住民への騒音による影響を配慮して滑走路を離発着することができる時間帯は、天候不順など特別な事情を除き午前6時から午後11時までに制限されている。今回、NHKなどの報道によると、懸念であった地元自治体との協議に関しては、騒音対策費用の一部を空港会社が負担する方針などを示すことにより、了解を取り付けられる見込みとなったことで、メイン滑走路であるA滑走路に限り午前0時まで離発着が可能になる。
【こちらも】福岡空港、4月に民営化 路線拡大目指す
●開港後初めての運用延長
成田空港は開港以来、反対運動や地元自治体との調整を巡りさまざまな問題が発生。陸地にあることから騒音問題は大きく、夜間の離発着には大きな制約がついていた。しかし、海上空港である羽田空港が24時間の運用、さらに再国際化されたことに伴い、利用者が減少するのではないかと心配されていた。そこで今回運用時間を拡大することで、各航空会社のダイヤ調整に自由度が加わるだけでなく、離発着できる航空機の数も増加させることが可能となる。2020年の東京オリンピックに向けて航空便需要が増加するのを受けて、運用時間の拡大が提案されており、今回、了承される形となった。
●何度も行われた到着地変更
成田空港はこれまでも運用時間の制約から航空機の到着地変更が何度も行われてきた。大雪で滑走路が閉鎖されたときには、着陸できない航空機が遠く関西国際空港や中部国際空港にダイバート(到着地変更)をすることも多く、運用時間との関係から再出発できずに、乗客へ大きな負担がかかることもあった。今回の運用時間変更に伴い、こうした不測の事態が起こった際にも対応できる可能性が広がる。
●依然として残るアクセス面の課題
成田空港の運用時間が拡大されたことに伴い、課題に上がるのがアクセス面での問題である。成田空港から都心部までは、鉄道やバスで1時間以上かかり、マイカーで空港を利用する人はアクセスを心配する必要はないが、公共交通機関を利用する人はアクセス面が課題となる。滑走路の運用時間が変更されると到着する航空機も遅い時間帯を選択することができる一方で、空港到着後の乗客をどのように移動させるかが今後、鉄道会社やバス会社を含めて協議しなければいけない課題となる。(記事:speedbird・記事一覧を見る)
スポンサードリンク