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キャッシュレス決済、戦国時代を制するのはどこか? メリットは何か? (2-2)
ファミリーマートやセブンイレブンは独自のスマホ決済を19年に導入する。ファミマは「ファミマペイ」という電子マネーをスタートさせ、買い物金額に連動したキャッシュバックを計画している。還元率は今後明らかになるが、独自ポイントに拘らず汎用性を高くして、他社ポイントとも連携するようだ。業務提携中のドン・キホーテでもファミマペイが使える可能性もある。ファミマの店舗ではLINE Pay、楽天ペイ、d払い等のスマホ決済が使えるようになる。
【前回は】キャッシュレス決済、戦国時代を制するのはどこか? メリットは何か? (2-1)
コンビニ各社がスマホ決済の導入に向かうのは、顧客の利便性を向上させながら自社チェーンの売上維持と増加を連動させようとする思惑がある。売上という分かり易い結果が付いてくる点が、キャッシュレス決済提供企業との一番大きな相違点だ。
そんな最中に、みずほフィナンシャルグループが19年3月にデジタル通貨を発行することが報じられている。デジタル通貨と聞くと、ビットコインのような激しい値動きをするものと混同する人もいるかも知れないが、このデジタル通貨の価格は円にペッグされるため価値が変動することはない。60行前後の地方銀行も相乗りして、銀行口座との出し入れや、利用者間でのデジタル通貨の送金は無料で行える。加盟店の手数料は極力低く抑える計画だが、売上代金として受け取ったデジタル通貨は自社口座に即座に入金出来て、手数料はかからない。昨年来検討されて来た「Jコイン」(仮称)がいよいよ具体的になって来たということだ。利用するためには専用アプリをスマホにダウンロードし、店頭でQRコードを使うことになる。
銀行にとって現金は大事な商売道具であると共に、非常に厄介な代物だ。勘定が1円合わなくても帰れないと表現される職場なので、管理と保管や移動には多大なコストを必要とする。その現金にまつわるコストが大きく低減する可能性が出て来た。
キャッシュレス決済が本格的に動き出したため、使い勝手を心配する声も上がっている。加盟店ごと、決済業者ごとにQRコードを提示したり読み取ったりする煩わしさが心配だ。8月に初会合を開催した産官学のキャッシュレス推進協議会が音頭を取って、QRコードの規格統一を実現し使い勝手を向上させなければ、キャッシュレス決済普及のチャンスを棒に振る恐れがあるのだ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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