パラマウントベッドの強みは技術力・営業力+α

2018年8月24日 20:11

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 パラマウントベッドホールディングス(以下、パラマウント)は、医療・介護用ベッドで7割のシェアを誇り続けている。

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 1947年に故木村隆輔氏により設立された木村寝台製作所が前身。そして培われた寝台(ベッド)技術を活かし、93年に斯界に先駆け世に送り出された在宅用ケアベッド(楽匠:らくしょう)でその存在が知られるところとなった。が、業界を担当するアナリストは「パラアウントの療養・介護ベッドの技術力は、楽匠以前から知られるところだった」とし、こう明かす。1989年1月7日に崩御された昭和天皇が闘病中に使用されたベッドは、パラマウント製だった。技術力を語る上で、なによりも重い事実といえる。

 しかし「技術力」だけで「7割」というシェアは手にできるものではない。地道な努力ではあるが、実に的を射た営業政策を展開したことがその背景にはある。病院ベッドの入れ替えや増床に伴うベッドの購入に際し、最も強い発言権を持つのは誰か。パラマウントは現場での営業を介し、徹底した意識的なリサーチを重ねた。結論は病棟現場の看護師(長)だった。そのことを掴んでからは、看護師(長)との「人の輪」の拡充を営業の基軸に据えた。機を見、折に触れて医療現場に関する各種のセミナーやイベントが繰り返されていった。そして掴んで7割だったのである。

 無論、技術力・営業力だけで業界トップは保ち続けることができるわけではない。とりわけ高齢化社会の進捗の中で、同業他社も血眼になり挑んでくる。事実前3月期までのパラマウントの営業利益は「115億4,100万円」「100億3,800万円」「96億6,000万円」「110億1,500万円」「106億6,100万円」といった具合。そして今期計画は115億円。「上向きに転じた」といえる。その背景は「在宅用」の伸び、とされているが競争状況が続いていることは事実である。だが同社はそうした中でも、差別化の手を緩めていない。TVや冷蔵庫などのレンタル事業を展開するCSアメニティーサポートを買収、ベッド周りの設備の充実に注力を始めている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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