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森永乳業、ビフィズス菌A1がアルツハイマー病を抑える可能性を確認
森永乳業は31日、病態モデル動物を用いたアルツハイマー型認知症(以下アルツハイマー病)の予防効果の検討を行った結果、ビフィズス菌A1が、アルツハイマー病の発症を抑える可能性のあることを確認したと発表した。
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この検討結果は、アルツハイマー病の発症を抑えるビフィズス菌A1を摂取することにより、空間認識力および学習・記憶能力の改善が確認されるというもので、研究は東京大学大学院農学生命科学研究科の阿部啓子特任教授および地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所との共同によって行われた。
近年、腸内細菌と健康とが密接に関連していることが明らかになっており、腸内細菌を含めた腸と脳の機能連関を意味する“脳腸相関”が注目されている。また、これまでに一部のビフィズス菌や乳酸菌の抗不安作用が報告されるなど、プロバイオティクス(腸内細菌のバランスを改善し健康に有益な作用をもたらす微生物)による脳機能への働きが明らかになっている。
一方、アルツハイマー病をはじめとした認知症患者は、世界的に増加しており、日本の認知症患者数は、2012年時点で約462万人、2025年には700万人を超え、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が患うとの予測が発表されている(2015年厚生労働省)。この割合は経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の中で最も高くなっている。
アルツハイマー病は、認知症の中で多くの割合を占める神経疾患であるが、近年の研究から、発症の数十年前から徐々に進行する慢性病の一つであり、早期から脳内に変化が生じていると考えられている。一度発症すると進行を止めたり、回復する治療が困難であることから、発症を予防するための生活習慣を改善するなど、日々の生活の中で実践できる有効な対策が課題となっている。
そうした状況の中、ビフィズス菌や乳酸菌等のプロバイオティクス摂取によるアルツハイマー病の予防および進行抑制効果について、研究、検討が進められていた。今回の研究成果は科学雑誌『Scientific Reports』誌に掲載された。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)
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