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漁船保険の「戦乱特約」が急増 北朝鮮のミサイル問題受け
安倍首相は来日した米国のトランプ大統領に、漁船保険の一種「戦乱特約」への加入が急増している事実をどう告げたのだろうか。いや果たして告げたのだろうか。11月3日のSanKeiBizはこう報じている。
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『漁船保険の一種で、戦争や他国の攻撃などに備える「戦乱等特約」への加入が急増している。日本漁船組合(東京)によると、全国で昨年度に同種の保険に加入していたのは235隻だったが、本年度は10月30日現在で1630隻に上がった』。
理由は改めるまでもあるまい。北朝鮮のミサイルが8月から9月にかけて相次いで打ち上げられ、日本の隣接水域に落下したためである。漁業者の不安を反映した結果だ。日本漁船組合が加入母体になる。戦乱等特約は、昨年度までは「特殊保険」と呼ばれ、有事の際の補償対象が船体に限られていた。だが今年度からは乗組員の生命・積み荷も補償対象になった。
最も加入者が多いのは、1度ならず、2度までもミサイルが落下した襟裳岬水域に近い北海道南部の渡島・檜山地方の漁協に所属する船舶。4-9月の加入は8隻。それが10月には930隻に。全国の加入数の6割近くを占めている。ちなみに補償額・保険料は、こんな具合。19t漁船(5人乗り、小型船では最も大きなタイプ)で「船体補償額:上限5000万円」「沈没時引き上げ費用:最大10億円」「乗務員死亡:1人当たり最大1200万円」の保険が掛けられる。対して記したケースの年間保険料は9290円。
表現は適当でないが、日本海域には戦乱等特約のニーズ地域が数多い。例えば沖縄水域。中国と台湾が領有権を主張し睨み合っている尖閣列島(沖縄県石垣市)が油断のならない火種となっている。阪神神戸大震災を機に「地震保険」の普及が進んだが、現状では「喉元過ぎれば」云々状況。海に囲まれた日本。漁船事業者各位には、是非とも加入を薦めたい。
ゴルフで親睦を深めるのも悪いとは言わない。しかし北朝鮮問題で日本が抱える危機を示す例として、安倍首相には記した一件を「話忘れた」というのなら電話会談を申し込み、伝えて欲しい。そう、トランプ大統領お得意のツイッターで我々も「安倍さん話してくれたでしょうね」と語りかけるのも一策ではないか。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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