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動脈硬化の進行、有酸素性運動で3分の1以下に抑制 産総研が10年間調査
産業技術総合研究所は7日、習慣的な有酸素性運動の有無が動脈硬化の抑制に影響を及ぼすことを見出したと発表。運動習慣がある場合、そうでない場合に比べて加齢による血管の老化を抑えられ、その進行度合いは3分の1以下になる。成人92名を対象にした10年間の追跡調査の結果、明らかになった。
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有酸素性運動による動脈硬化の抑制効果がみられたのは、週に4、5日、速歩やジョギングを30~60分程度行った場合。これは米国スポーツ医学会・米国心臓病学会が心血管系疾患予防のために推奨する身体活動量にほぼ相当する。その有効性が改めて証明された形だ。
そしてこの効果は短期間の急性的なものではなく、毎日の積み重ねによる継続的なものと考えられている。これまでの別研究によると、少なくとも4週間、有酸素性運動のトレーニングをすることで改善が期待できるという。
動脈壁の硬度を示す動脈スティフネスは、心血管系疾患において強力な発症リスクとなる。2016年の人口動態統計によると心疾患系疾患は日本の死亡原因の第2位、2017年の世界保健機構の調査では世界第1位の死亡原因だ。その発症リスクとして近頃注目されているのが動脈スティフネスである。
動脈の壁が柔らかければ心臓の負担は低くなるが、反対に壁が硬いと心臓が血液を動脈に押し出した時の抵抗が増し、心疾患系疾患が起こりやすくなってしまう。通常年を重ねるごとに動脈の硬度は増大してしまうため、その維持、改善が疾患の発症を予防するにあたり重要視されている。
そこで産総研の研究員らは、動脈硬化の進行度合いにおける個人差や遺伝的要因、運動習慣の影響を明確にするべく、エンドセリン(ET)受容体という物質を活用して10年間にわたる追跡研究を実施し、今回の発見に至った。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る)
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