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空港のセキュリティ対策進む ボディスキャナー、顔認証ゲート、手荷物検査
顔認証ゲート(写真:法務省の発表資料より)[写真拡大]
今年になって空港での新たなセキュリティ対策が進んでいる。国際的なテロ対策、東京オリンピック・パラリンピックなどの防犯対策を強化した上での迅速な対応や合理化が先端技術で実現しつつある。
空港でのセキュリティの代表的なものは、ボディチェック、手荷物検査、および国際線での入出国審査である。今年に入って日本の空港では、ボディチェックにはボディスキャナーを導入、入国審査には顔認証ゲートが登場した。そして、手荷物検査でも精緻化技術の発表がなされた。
●ボディスキャナー
成田空港と羽田空港は3月29日、保安検査にボディスキャナーを導入した。それぞれ、国際線の出発客を対象に検査するという。
これまで一般的なボディチェックは、金属探知機とボディタッチである。金属探知機は、銃器や刃物を探知しアラームを鳴らす。仕組みは、着装した金属が探知機を通るときに発生する電流と磁界の荒れを応用したものだ。
一方、ボディスキャナーは、「ミリ波」という電波で検査する機器である。探知する不審物は、金属だけでなくブラスチック、木、セラミック、液体など様々な素材を透視する。なお、「ミリ波」は身体への影響はないという。
全てを透過するため、プライバシー保護の観点から、係員が見る画面内の人の形をしたイラスト内に検査結果を表示し、データも検査の都度自動で消去されるという。
●顔認証ゲート
法務省入国管理局は10月18日、羽田空港に顔認証ゲート3台を先行導入し、日本人の帰国手続の運用を開始した。
最近の10年間は、個人識別情報は指紋認証と顔写真からの変化である。プライバシー保護や「なりすまし」などの課題に対して、現在の人工知能技術がより高い精度で個人を特定する。
観光立国実現のため、訪日外国人旅行者数を2020年に4,000万人とすることを目指し、様々な取組が行われている。顔認証技術を活用して日本人の出帰国手続を合理化し、より多くの入国審査官を外国人の審査に充て、審査の厳格さを維持しつつ更なる円滑化を図ることを目的とするという。
●AIを活用した手荷物検査
日立は11月1日、X線を用いた手荷物検査において、人工知能(AI)を活用することで手荷物内の物品一つひとつを認識し、材質、密度などから安全性を自動識別する技術を開発したと発表した。
AIを活用して手荷物内の一つひとつの物品を正確に認識し、その物品の特性と同じかを比較して安全性を識別する。確実に安全な手荷物を目視検査不要とすることで、検査可能な手荷物の数が約40%増加したという。
2018年度に実用化し、空港のみならずイベント会場、公共施設への設置を目指すという。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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