FRB議長指名・12月追加利上げ・10月雇用統計、どうなる来週のドル円為替

2017年10月28日 10:41

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 10月27日17:40(すべて日本時間)ごろには1ドル113円93銭と114円台を割り込んでいたが、21:30の7~9月GDP速報値の発表によってポジティブサプライズとなり、1ドル114円45銭まで上昇した。10年債利回りも一時期は2.46%まで上がっている。上抜けできたのだが、114円50銭にもう一段強い売りの圧力があり、トランプ大統領がFRB議長に指名するのはハト派寄りのパウエルFRB理事が有力との報道と相まって、一転してドル売りとなった。23:40ごろには1ドル113円71銭まで反落し、その後、日付の変わった28日2:00までに再び114円台まで回復するも、最終的には1ドル113円68銭でクローズしている。

 ちなみに21:30に発表された7~9月GDP速報値は、事前予想の+2.5%を上回って、+3.0%であった。前回が+3.1%だっただけに下降傾向だが、これは2つの大型ハリケーンの影響が強い。事前予想を覆して前回に肉薄したのは米国経済の好調さを物語っているだろう。個人消費も事前予想の+2.1%を上回り、+2.4%であった。23:00には10月ミシガン大消費者信頼感指数が発表されているが、こちらは事前予想通りであり、動意薄である。

 来週10月最終週から11月スタートにかけては注目すべき点が盛りだくさんだ。10月30日には9月個人消費支出(PCE)、PCEコアデフレーターの発表がある。31日からはFOMCが始まり、11月1日には政策金利の発表となる。ここでは12月の追加金利の行方が注目される。さらにADP雇用統計、ISM製造業景気指数の発表だ。2日には前週分の新規失業保険申請件数、3日には10月ISM非製造業景気指数の発表とともに、10月雇用統計の発表を控えている。

 3日までには次期FRB議長が指名されることになっており、3日からはいよいよトランプ大統領のアジア歴訪スタートだ。日本には5日からが予定されている。スペインの政局混乱とトランプ大統領のアジア歴訪に合せた北朝鮮の動向に警戒が必要だ。しかし大規模税制改革も前進しており、ドル買いの材料の絶えない1週間になりそうである。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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